2018年8月23日木曜日

福島原発 ALPS処理水 ヨウ素129基準超え60回 17年度

 ALPSで汚染水浄化後に放射性物質トリチウムとともに、排水の放流基準(1当たり9Bq)を超えるヨウ素129の検出が17年度に約60回あり、18年度も既に10回超と、昨年と同様のペースで起きていることが分かりました
 ALPS=イオン除去装置の性能劣化によるものであるのは明らかで、ヨウ素のみではなく他の金属イオンも除去不良になっていると思われます。現に1当たり40Bq以上が多発しているにもかかわらず、東電が「能力に問題はない」と語る意味が不明です。
 ALPS内のモジュール交換等の処置を講じるべきで、いずれ海洋放流を考えているのであれば、なおさらALPSの設置目的トリチウム以外の放射性物質の濃度を基準値未満に下げることであることを守るべきです。
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福島原発 処理水の放射性物質残留 ヨウ素129基準超え60回 17年度
河北新報 2018年08月23日
 東京電力福島第1原発の多核種除去設備(ALPS)で汚染水の浄化後に残る放射性物質トリチウムを含む水に、他の放射性物質も除去しきれず残っている問題で、排水の法令基準(1リットル当たり9ベクレル)を超えるヨウ素129の検出が2017年度に約60回あったことが22日、分かった。18年度も既に10回を超え、同様のペースで起きている。
 ALPSの稼働日数が異なるため単純比較はできないが、15、16年度は基準超えが少なかった。原子力規制庁も実態を把握しており、フィルターの性能低下の可能性を指摘する。
 東電は既設、増設、高性能の各ALPSの処理水の放射性物質濃度を定期的に測定。17年度のヨウ素129の測定結果は1リットル当たり40ベクレル以上が9回あった。9月18日に採取した処理水は62.2ベクレルに上った。
 東電は、能力に問題はないとして「ALPSの運用継続による汚染水処理を優先している」などと説明。基準超えが続いても「敷地境界の空間放射線量の目標値(年間1ミリシーベルト未満)には影響がないように運用している」と強調する
 
 原子力規制庁の担当者は「基準超えの頻度増加は把握している。フィルターの性能低下が原因なら、交換で回復できるのではないか。ただ汚染水の放射性物質濃度は低減されており、直ちに問題とは言えない」と話した。
 
 原子力規制委員会が認可した福島第1原発の実施計画では、ALPSの設置目的はトリチウム以外の放射性物質の濃度を基準値未満に下げることと明記している。