1日に柏崎刈羽原発敷地内で発生した電気を通すケーブルの火災は、延焼等は起きず事なきを得ましたが、その後柏崎市の消防隊が火元にたどりつくまで1時間半もかかったことが明らかになりました。市の消防隊は、東電の自衛消防隊の案内で火災現場とは異なる地下ケーブル隧道内で火元を捜索していたためです。
何故そんなことが起きたのかについて新潟日報が詳細を報じました。
この火災では、東電が7時前に第一報をFAXで報道各社に入れたのですが、1時間半後に一部が「不達」になっていたことに気付いて追送するという不手際もありました。
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ケーブル火災、火元消防に伝わらず
東電柏崎原発 1時間半、別地点調査
新潟日報 2018年11月9日
1日に東京電力柏崎刈羽原発敷地内で発生した電気を通すケーブルの火災で、東電が把握していた火元の位置情報が、現場に出動した柏崎市消防本部と原発内に常駐している東電の自衛消防隊に伝わらず、1時間半も対応が遅れていたことが8日、分かった。東電は当時のやりとりを市消防本部と確認するとしている。
火災は1日、ケーブルを収納する地下通路内で煙が発生し、緊急時に電源車から原子炉建屋に電気を供給するケーブルが熱で溶けていた。東電によると、午前6時5分に地下5メートル地点で異常を知らせる警報が鳴った。
市消防によると、午前7時前に現場に到着後、自衛消防隊の誘導で煙の濃い地下22メートル地点で火元を調べたが、見つからなかった(下図参照)。
市消防が、地下5メートル地点が火元と知ったのは同8時半ごろ。別の消防隊員が東電の当直職員から話を聞いて判明したという。市消防の田辺昌敏消防署長は取材に「東電から新たな情報が随時、電話などでほしかった」と述べた。
これに対し、東電は8日の定例会見で、当直の職員が午前7時ごろ、到着した市消防本部に地下5メートル地点で警報が鳴ったと伝えたとした。一方、東電の自衛消防隊も火元の正確な情報を把握せずに活動していた。火元より低い地下22メートル地点で濃い煙が確認された原因について、東電は地下通路内の空気の流れが関係しているとみている。
会見で設楽親所長は「地域の皆さまにご心配を掛けたことに、改めておわび申し上げる。刻々と状況が変わる現場で、結果としてベストな対応ができなかった」と陳謝した。
設楽所長はまた、報道機関への第1報が遅れた問題について「ファクスの送信履歴を確認すれば、すぐにミスに気付けたはずだ。申し訳ない」と述べた。