KYB免震不正、浜岡原発やNHK地方局など20件
日経新聞 2018年11月2日
油圧機器メーカーのKYBは2日、免震・制振装置の検査データを改ざんした問題で、新たに改ざんの疑いのある製品を設置した20物件を公表した。原子力発電所やNHKの地方放送局などが含まれている。物件名が明らかになったのは累計108件となり、問題が広範囲に及ぶ実態が浮き彫りとなっている。
公表された物件リストには、すでに明らかになっていた中部電力浜岡原子力発電所の緊急時ガスタービン発電機建屋（静岡県）や、NHK新札幌放送局（札幌市）が含まれる。東京都庁の第二本庁舎（東京・新宿）や地震で損壊して移転再建中の熊本市民病院（熊本市）なども入っている。
改ざんの疑いのある製品が設置された物件は重複などが見つかり、計980件となった。このうち、公表されたのは1割にすぎない。全体の3割を占めるマンションはまだ公表されていない。
KYBを巡っては8月上旬に子会社の検査員が内部告発して問題が発覚。2カ月間の社内調査後、10月に性能検査データの改ざんを公表した。
川金ホールディングスでも、同様の検査データの改ざんが見つかった。国土交通省は10月末、社内調査を指示した国内メーカー88社のうち、KYBと川金HD以外で不正は確認されなかったと発表している。
