東海再処理施設で放射性物質汚染 被害なし
産経新聞 2018.11.8
日本原子力研究開発機構は8日、東海再処理施設(茨城県東海村)のプルトニウム転換技術開発施設で、放射性物質による汚染を確認したと発表した。国が原子炉等規制法で報告を求める基準値(37万ベクレル)を下回っており、作業員の汚染被害や周辺環境への影響はなかった。
機構によると、7日午後1時半ごろ、グローブボックスと呼ばれる設備に汚染がないか調べていた作業員5人が1センチ四方の汚染を確認。約833ベクレルが検出された。設備のゴム製パッキンが経年劣化し、放射性物質が下部から染み出したとみられる。
東海再処理施設は老朽化などのため平成26年に廃止が決定。廃止作業終了まで約70年間かかり、国費約1兆円が投入される見込み。開発施設ではプルトニウムとウランを混ぜた混合酸化物(MOX)燃料の原料が作られていたが、現在は運転を停止している。