2014年4月13日日曜日

柏崎原発再稼働「議論段階にない」 泉田知事

 泉田裕彦知事は9日の定例記者会見で、記者の質問に答えて、柏崎刈羽原発の再稼動問題について、福島第一原発事故の検証と総括が先だと思います。それなくしての安全議論は意味をなさないということです。再稼働については手続きも含めて議論する段階に至っていない」と述べました。
 
 また東電の隠蔽体質について、「東電自身は事故当初からメルトダウンを認知していました2か月間、事実を隠蔽したわけです。・・・・いざというときに住民の安全を確保するための情報開示すらできてないということでは、交渉のスタートラインに立てない」と述べました。
 
 新潟日報の記事と、「新潟県知事公式HP」に掲示された「平成26年4月9日 泉田知事 定例記者会見 質疑項目 要旨」を紹介します。 
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柏崎原発再稼働「議論段階にない」 泉田知事
新潟日報 2014年4月10日
 政府が11日にも閣議決定するとみられるエネルギー基本計画案で、原子力規制委員会の審査を終えた原発は再稼働を進める方針としていることを受け、泉田裕彦知事は9日の記者会見で「東京電力は(福島第1原発事故の)事実を隠蔽(いんぺい)した。それがどうしてかに踏み込まずして、柏崎刈羽原発は(再稼働の議論の)入り口に立てない」と述べた。
 
 知事は「東電は福島の事故当初からメルトダウンを認知していて、実際に認めたのは5月。2カ月間隠蔽した。いざというときに住民の安全を確保するための情報開示すらできていない」と東電を批判。
 その上で「東電はいまだに真実を語らない。だれがどういう指示で隠蔽したのか。組織運営を含め事故の検証と総括なくして安全議論は意味をなさない。再稼働は手続きも含めて議論する段階に至っていない」と強調した。
 
 
新潟県知事公式HP
平成26年4月9日 泉田知事 定例記者会見 質疑項目(要旨 
(原発関連問題について)
 国は、原発再稼働については規制委員会の専門的な判断を重視し、規制委員会が認めた原発の再稼働を進めていくということです。その際には国が面に立って立地自治体に理解を求めていくという表現になっており、立地自治体がどう考えていようと国が再稼働を進めるとも受け取れるのですが、知事の考えを聞かせてください。
A 知 事
 原発の再稼働についてですが、(原発の)安全については、規制委員会で現在検討しているような機器の性能だけでは確保できないということです。そこには人の要素、法制度や仕組、いざ事故が発生したときにどう対応するのかということが必要です。米国でも避難計画は当然のことながら、ソフト面でどうするのかについてNRCが責任を持っているということです。どこに問題があって福島第一原発事故がここまで大きく拡大し、人々の暮らしに大きなダメージを与えているのかということで、福島第一原発事故の検証と総括が先だと思います。それなくしての安全議論は意味をなさないということです。(原発の)再稼働については手続きも含めて議論する段階に至っていないと考えています。
 柏崎刈羽原発の周辺自治体から、周辺自治体を含む県全体の意見を知事が代表すべきと言われる首長もいます。このことについての受け止めはいかがでしょうか。
A 知 事
 原子力発電所の安全性を確保するためには福島第一原発事故の検証と総括を行うことが先です。それなくしては、手続きも含めて再稼働の議論を行う状況に至っていないということです。
 先週の会見で、東電の數土会長に(原発の)安全性に対する認識を伺いたいと言われていたと思いますが、一方で、數土会長は福島県知事と面会していると思います。先週の会見の後、東電側から何か接触はありましたか。
A 知 事
 ありません。
 知事の考えとしては、福島第一原発事故の検証と総括は、どの原発においてもまず徹底的になされるべきだということでしょうか。
A 知 事
 少なくとも柏崎刈羽原子力発電所については、組織運営も含めて福島第一原発事故の検証と総括が必要ということです。東京電力はまさに事故当事者です。さらに未だに真実を語りません。もう一回申し上げますが、東電自身は事故当初からメルトダウンを認知していました。実際に認めたのは5月下旬ということで、2か月間、事実を隠蔽したわけです。誰がどういう指示をしたことで隠蔽したのかという背景ですが、廣瀬社長の言葉で言えば、国との調整が必要ということです。すなわち国から圧力があったということを言われているわけですから、いざというときに住民の安全を確保するための情報開示すらできてないということです。どうしてそうなったのかというところに踏み込まずしては入り口に立てない、スタートラインに立てないということだと思っています。