2014年4月9日水曜日

原発適合審査 合格=安全 ではない

 安倍首相は、「原発の新しい規制基準は世界で一番厳しい規制で、それに合格すれば直ちに再稼動できる」と、安全が保証されるものであるかのような発言を繰り返していますが、新「規制基準」は重大事故が起きる危険性と被害を減らそうという必要最低限のものに過ぎません。
 このことは、新基準の名称を一旦「安全基準」にしかけたものの、基準を満たせば安全というわけではないため、「規制基準」に改めた経過があることからも明らかで、規制委の田中俊一委員長も、26日の会見で記者から改めて問われると、「絶対安全かと言われるなら否定している」と明言したということです
 
 規制委は、規制基準合格と再稼動は別の問題であると当初から主張し、再稼動の是非には関与しないという立場をとっています。
 安倍首相はいつまでの欺瞞の発言を続けるべきではありません。
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原発適合審査 「合格=安全」広がる誇張
東京新聞 2014年4月8日
 原発の新しい規制基準は、重大事故が起きる危険性と被害を減らそうという必要最低限のものだ。だが、再稼働を急ぐ政府、自民党から、原子力規制委員会の適合審査に合格しさえすれば「安全」になるかのような発言が相次いでいる。
 「安全基準に基づいて徹底的な安全審査を行い、これに合格した原発について再稼働を判断していく」
 一月二十九日の参院本会議で安倍晋三首相はこう答弁したが、日本には「安全基準」も「安全審査」も存在しない。
 規制委は新基準の名称を「安全基準」にしかけたが、基準を満たせば安全というわけではないため、「規制基準」に改めた経過がある。審査の正式名も「規制基準への適合性審査」であって「安全審査」ではない。
 だが、政府、自民党の「基準クリア=安全」発言はエスカレートする一方だ。
 三月十四日には記者会見で、茂木敏充経済産業相が「規制委により安全性が確認された段階で、(再稼働に向けて地元に)国も説明する」と発言。二十日には自民党の細田博之幹事長代行が、原発推進派でつくる議員連盟の会合で「できるだけ早く審査を済ませ、安全という認定を出してほしい」とあいさつした。
 適合審査に合格するとはどういう意味なのか、二十六日の会見で規制委の田中俊一委員長にあらためて問うと、「絶対安全かと言われるなら否定している」と明言。単に新基準を満たしているということを認定するにすぎないと述べた。 (清水祐樹)