原発事故時に住民が避難し終えるのにどれくらいの時間が掛かるかの試算が、原発の30キロ圏の21道府県のうち、まだ11県で出来ていないということです。
この中には優先審査されている川内原発を持つ鹿児島県も含まれています。
避難における最大の問題は、どこの自治体でも必要なバスの台数と運転手を確保できる見通しが全くないということで、これを解決できている自治体はない筈です。
従って避難時間予測が出たからと言って、その通りに避難できるというものではありません(避難時間予測はバスや運転手が確保出来たことを前提として行う筈)。
また仮に事故直後の避難が実行できたとしても、その後には数十万人が期限のない避難生活を行うことになります。
ですから「避難予測時間」の算出は多くの検討要因の一つに過ぎないものですが、この予測が立たなければそもそも再稼動などは論外であることもまた明らかです。
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原発事故、11県で避難試算遅れ 30キロ圏防災追いつかず
東京新聞 2014年4月5日
原発事故時に住民の避難にかかる時間を試算する「避難時間予測」について、原発の半径30キロ圏に入る21道府県のうち、鹿児島県など11県で結果の取りまとめや公表が遅れていることが5日、分かった。
11県は、原子力規制委員会の審査が先行する6原発の30キロ圏に入る福井、福岡、佐賀、長崎、鹿児島の5県のほか、青森、福島、新潟、静岡、鳥取、島根の6県。
試算は避難計画の実効性を高めるため国主導で進めたが、今夏にも新規制基準下で初の原発再稼働が実施される可能性がある中、防災体制の整備が追いつかない実態が浮き彫りになった。(共同)