福島原発の放射能汚染水処理の切り札になる筈の「多核種除去設備(ALPS)」は、昨年4月に装置が完成して以降も半身不随状態が続いていました。
この4月からはフル稼働に入り汚染水処理の滞りを回復するとされていましたが、4月も下旬に入ったのにもかかわらず、いまだに半身不随の状態から脱していません。
22日に通水を再開したA系統は、2時間後処理水の白濁が判明したために運転を停止していましたが、23日、排水処理に必要な薬液の注入弁が閉じられていたのが原因と判明し、処置をした後 水処理を再開しました。
これでA系統とC系統が運転状態に入りましたが、B系統は3月に大幅に運転性能が低下したため停止させたままになっていて、再開のめどは立っていません。
それにしても薬液を注入しないで水処理を行うとは、いわば洗剤を入れないで油汚れを洗濯するというようなことで、何んともお粗末なことです。
東電は、何かが、どこかがおかしいのではないでしょうか。
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薬液供給弁が閉まったまま 「ALPS」水白濁、再停止原因
福島民友ニュース 2014年4月24日
東京電力福島第1原発の汚染水からトリチウム(三重水素)を除く62種類の放射性物質が除去できる「多核種除去設備(ALPS)」のうち、不具合で処理を停止しているA系統について、東電は23日、処理の過程で必要となる薬液を設備に供給する配管の弁が閉まっていたことが不具合の原因と発表した。弁を開けた状態にして同日、処理を再開した。
東電によると、薬液を供給する配管の弁は手動で開閉操作する。東電は「設備の操作が適正だったかどうかを調べる」としている。
A系統は、22日に処理を再開したが、処理過程で水が白く濁っているのが確認されたため、約2時間後に再び停止していた。
ALPSのA~C3系統のうち、汚染水の処理を継続しているのはC系統のみ。B系統は、3月に浄化性能が大幅に低下し、設備内に付着した放射性物質の洗浄などに時間を要しており、再開のめどは立っていない。