2014年4月29日火曜日

風船飛ばして事故時の放射能拡散を調査 東海村などで

 27日、再稼働を目指している東海村の東海第二原発が過酷事故を起こした場合に、放射性物質が拡散する方角や距離を調べようと、脱原発を訴える市民グループが風船約千個を飛ばすイベントを開きました
 風船にはメッセージカードいていて、風船を拾った人から場所と日時を連絡してもらい市民グループが集計するもので、結果は「東海第二原発バルーンプロジェクト」のホームページで公開されます
 
 この催しは各地で以前から行われているもので、毎年行っているところもあります。
 4月になってからでは、他に米海軍原潜基地のある横須賀市(13日)や九州電力川内原発のある薩摩川内市6日で行われています。
 
 3つの記事を紹介します。
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放射性物質が拡散する方角などを調べるため、風船を飛ばす参加者 =東海村で
東京新聞 2014年4月28日
 再稼働を目指している東海村の東海第二原発(日本原子力発電)が過酷事故を起こした場合に、放射性物質が拡散する方角や距離を調べようと、脱原発を訴える市民グループが二十七日、同原発近くの海岸で、風船約千個を飛ばすイベントを開いた。
 
 晴天の海岸には、親子連れなど約三百人が集まり、風船を空へと一斉に飛ばした。息子二人と参加した村内に住む看護師佐藤美鈴さん(38)は「どこに住んでいる人も、飛んできた風船を通して東海第二原発のことを身近に感じてほしい」と話した。
 風船は紫外線で分解される樹脂製のエコバルーンを使用。メッセージカード付きで、風船を拾った人から場所と日時を連絡してもらい、市民グループが集計した結果を「東海第二原発バルーンプロジェクト」のホームページで公開する。

風船飛ばし風向き調査 東海第二周辺で市民団体

横須賀で風船飛ばし、放射性物質の拡散調査 60キロ先に飛んだものも
神奈川新聞 2014年4月24日
 子どもを持つ母親らでつくる市民グループ「いらない!原子力空母」が行った、横須賀市内で風船を飛ばして放射性物質の拡散状況を調べるプロジェクトで、遠くは60キロ離れた千葉県勝浦市まで到達していたことが確認された。
  同グループなどの約150人は13日、原子力空母の配備に反対するパレードを行い、在日米海軍横須賀基地前で2千個の風船を空に放った。同じ方法で調査したドイツの原発反対運動を参考に実施。実行委員長の原紗希子さん(29)は、「風船を飛ばして目で確認できれば、放射能の危険性への意識も違ってくる」と趣旨を説明する。
  風船には、来年中に原子力空母が交代し、同型艦に引き継がれることなどが記され、拾った人に連絡を呼び掛けるカードが付けられた。23日までに3件の電子メールが届いた。
  同基地から60キロ離れた勝浦市や30キロ圏内の同県君津市で風船を拾った人から「空母が事故を起こす可能性はあるのか」「事故が起きたらどうなるのか」などの声が寄せられた。原さんは「風向きによって、放射性物質が首都圏全域に飛ぶことも裏付けられた」と指摘する。
  グループは2008年に主婦らを中心に結成、年3、4回の原子力空母配備に反対するパレードを続け、毎週火曜日は京急線横須賀中央駅前のデッキでチラシなどを配っている。
  2歳の長男がいる原さんは、「原子炉を持つ空母が事故を起こせば(東京電力福島第1)原発事故と同じ規模の被害が出る。お母さん方に共通するのは、地元で安心して子育てをしたいという思い」と言う。拡散状況の統計を作るため、今後も風船プロジェクトを続けたい考えだ。
 
 
川内原発の放射能拡散 市民ら風船とばして調査
南日本新聞 2014年4月7日
 九州電力川内原発(薩摩川内市)で事故が起きた場合、放射性物質がどう拡散するかを調べるため、市民グループなどが6日、川内原発近くの久見崎海岸から500個の紙風船を飛ばした。昨年7月に続き2回目。
 「原発なくそう!九州川内訴訟」の原告を中心とする実行委員会が企画。県内外から約100人が集まり、強風に苦戦しながらも一斉に飛ばし、南方面に流れた色とりどりの風船を見送った。
 風船には連絡先を書いたカードを付けており、情報提供を求めている。連絡があり次第、ホームページで公開する。風船は環境に配慮した素材を使っているという。
 1回目の実験で最も遠くまで飛んだのは、約110キロ離れた日南市北郷町で、3時間半後に確認された。