2014年4月5日土曜日

“原発輸出”を衆議院で可決 与野党とも“造反”相次ぐ

 4日の衆議院本会議で、原子力関連技術をトルコとUAE=アラブ首長国連邦に輸出できるようにする原子力協定の締結の承認案が可決され、参議院に送られました。
 
 トルコとUAEの原子力協定は、安倍総理大臣が去年5月に両国を訪問した際に首脳会談で合意しました。協定では、核物質などの利用を平和目的に限ることや、IAEA=国際原子力機関の査察を受け入れることなどを条件に、日本の原子力関連技術を輸出できるようにするとしています。
 
 承認案は、自民・公明両党と民主党などが賛成し、日本維新の会、みんなの党、結いの党、共産党、生活の党、社民党は反対しました。
 
 原発の海外への売り込みは、福島原発がまだ収束していない中で、安倍首相の前のめりの姿勢が目立ちました。またトルコへの輸出には、同国が地震国であることや、冷却水や事故時の放射能水が閉鎖的な黒海に流されるなどの問題があります。
 しかし輸出はもともとは民主党政権時代が手がけたものなので、最終的には民主党も「消極的賛成」をせざるを得ませんでした。
 
 こうして首相の「前のめり」は追認されて、次々と実現されるのでしょうか。
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“原発輸出”で国会採決、与野党とも“造反”相次ぐ 
TBSニュース 2014年4月4日
 トルコなどに原発輸出を可能にする原子力協定は、締結するかどうかをめぐり、衆議院本会議で採決が行われ、与党と民主党などの賛成多数で可決しました。採決の際に、与野党ともに退席するなどの造反が相次ぎました。
 
  原発をトルコなどに輸出するための原子力協定の承認については、自民・公明の与党が賛成、また野党の民主党も政権担当当時、ベトナムとの原子力協定を締結するなどしていたことから、党として「消極的な賛成」を決めていました。しかし、採決では、民主党は脱原発派の菅元総理と辻元清美氏が体調不良などを理由に欠席したほか、生方幸夫氏らも採決直前に退席しました。
 
 「日本国内でも極めて問題があるものを、無責任に海外に輸出することには賛同しかねる」(民主党 生方幸夫幹事長代理)
 一方、自民党の脱原発派では、河野太郎氏らは賛成しましたが、秋本真利氏は採決直前に議場を退席し、造反しました。
 (Q.なぜ途中退席されたのですか?)
 「・・・」(自民党脱原発派 秋本真利氏)
 
 「まずは当事者の方の話を伺って、どうするか決めたいと思います」(民主党 大畠章宏幹事長)
 民主党では、菅元総理が以前も参院選の応援で造反したことから、幹部の一人は「絶対処分してもらう。特に菅は許さない」などと話していて、処分をめぐって、執行部が難しい対応を迫られることもありそうです。
 
 一方、原子力協定に反対を決めていた日本維新の会では、反対方針の決定をめぐり、石原共同代表が、「高校の生徒会のやり方だ。私は賛成する」などと、一時、異議を唱えていましたが、石原氏は先週、散歩中に転倒し、胸を打撲したとして、欠席届と診断書を提出し、本会議を欠席しました。