経産省の電力需給検証小委員会は17日、今夏の電力見通しについて、原発の再稼働がない場合でも9社平均の予備率は4・6%で、最低限必要とされる3%を確保できることを明らかにしました。
本来は周波数が違う東日本と西日本との電力融通がなくても、50Hz地域と60Hz地域がそれぞれ単独で予備率3%以上を確保することが求められているということですが、実際には全国に3カ所ある周波数変換所を通して、最大120万キロワットを東西間で融通できるので、何の支障もありません。
逆に何故わざわざそんな条件を設けてハードルを上げようとするのか、その理由が分かりません。
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今夏の電力供給、原発再稼働なくても余力あり 9社試算
朝日新聞 2014年4月17日
経済産業省の電力需給検証小委員会は17日、9電力会社が試算した今夏の電力見通しを示した。原発の再稼働がない場合でも、9社の供給力の余裕(予備率)は最低限必要とされる3%を確保した。昨夏に続き、政府による数値目標つきの節電要請は避けられる公算が大きくなった。政府は5月にも最終判断する。
原発がない沖縄電力を除く9社平均の予備率は4・6%だった。
関西電力、九州電力はもともと発電に占める原発比率が高いが、今夏は東日本から計58万キロワットの電力を融通してもらうことで3%を保つ。関電は東京電力から40万キロワット弱の融通を初めて見込み、火力発電を増強することなどで大飯原発(福井県)が動かない分を補う。九電も同様に20万キロワットの融通でしのぐ。
しかし、本来は周波数が違う東日本と西日本との電力融通がなくても、予備率は3%以上を確保することが求められている。
仮に融通がなければ、昨夏は動いていた大飯原発の再稼働が見通せない関電の予備率は3・0%から1・8%、川内原発(鹿児島県)の再稼働を織り込まない九電は3・0%から1・3%と、それぞれ3%を下回って電力需給は逼迫(ひっぱく)することになる。関電と九電が、東日本からの電力融通を含めて予備率をクリアしたことの是非が焦点だ。
電力の周波数は東電より東日本が50ヘルツ、中部、北陸電力より西日本が60ヘルツと違う。そのままでは電力を送れないので、全国に3カ所ある周波数変換所を通して、最大120万キロワットを東西で融通することができる。(藤崎麻里)