住民たちはそれに対して警戒を強めています。
昨年秋、環境省の調査着手を実力で拒否した加美町住民団体の高橋福継会長は「事態は昨年秋と変わっていない。絶対に調査させない」と強調しました。
調査の受け入れは容認してきた佐藤勇栗原市長は「3市町そろって調査が始まれば(一時保管期間を延長している)汚染稲わらの処理に道筋が見える」と前向きで、大和町も「調査はやむを得ないが、着手は3市町同時が条件」の立場です。
調査自体に反対する猪股洋文加美町長は、調査拒否の従来の姿勢を貫いています。
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<最終処分場> 住民ら建設反対 国に不信感
河北新報 2015年4月13日
東京電力福島第1原発事故で生じた指定廃棄物の最終処分場建設に向け、環境省は昨年秋に中断した宮城県内3候補地のボーリング調査を、雪解けを待ち5月中旬にも再開する方針を示した。住民らが警戒を強める一方、自治体側からは足踏み状態の打開に期待の声も上がる。いずれも処分場建設そのものに反対する姿勢は共通しており、国への不信感を募らせている。
「事態は昨年秋と変わっていない。絶対に調査させない」。昨年秋、環境省が住民の反対に遭い調査着手を断念した加美町田代岳地区。同町の住民団体の高橋福継会長は語気を強めた。
高橋会長は「環境省が候補地を白紙撤回するまで戦う」と徹底抗戦の構えを見せる。栗原市深山嶽地区に近い栗駒文字地区の住民団体も11日、建設反対を求め署名活動を始めた。
5月中旬、各候補地周辺は農繁期や観光シーズンを迎える。大和町下原地区の住民組織の吉田清孝会長は「晩生(おくて)品種の田植えで忙しい住民もいる。いざという時に、国の行動監視などに動員できるかどうか」と心配する。
これに対し、調査の受け入れは容認してきた佐藤勇栗原市長は「3市町そろって調査が始まれば(一時保管期間を延長している)汚染稲わらの処理に道筋が見える」と前向きだ。
大和町も「調査はやむを得ないが、着手は3市町同時が条件」の立場。
調査自体に反対する猪股洋文加美町長は、従来の姿勢を貫く。
村井嘉浩知事は6日の定例記者会見で「3市町は調査を受け入れた上で、自分たちの地域のどこが不適かを伝えていけばいい。国は地元の主張をしっかり検証してほしい」と強調した。
環境省は5日に仙台市で初開催した県民向けの説明会で、「個別市町での説明会も開きたい」と説明。望月義夫環境相も7日の記者会見で、県民説明会を再度開く考えを示した。
手詰まり感が続く中、関係者は国へのいら立ちをにじませる。佐藤市長は「栗原市と大和町は調査を受けると言ってきた。環境省は加美町の説得に全力を挙げるべきだ」と訴えた。
最終処分場建設に断固反対を訴える地元住民で埋め
尽くされた大和町での集会=3月22日