いわき市で2回に分けて行われた懇談会には計約100人が参加し、町民からは「住宅の修繕が間に合わない」、「放射線量が高い地域がある」、「夜は不気味なほど静寂で、女性には厳しい環境だ」、「今は商店や医療機関もなく、帰町できる状況ではない」等の意見が出されました。
懇談会は5月10日までいわき市や楢葉町、東京などで計12回開かれ、3カ月間の準備宿泊が終了する7月に、懇談会での意見も踏まえ避難指示を解除するかどうかを判断することにしています。
いずれにしても南相馬市の避難勧奨解除のように、帰町する条件もなく住民の納得がえられないままに強行しても、帰宅は実行されず何の意味もないどころか、賠償金の支払をを体よく中止する口実か原発再稼動促進の一環としか看做されず、提訴されるのが落ちです。
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避難指示解除に懸念の声 楢葉町民と国が懇談
河北新報 2015年4月26日
国の原子力災害現地対策本部は25日、東京電力福島第1原発事故で全町避難し、避難指示解除に向けた準備宿泊が行われている福島県楢葉町の住民との懇談会を始めた。初日はいわき市で2回開催。避難指示の解除について、町民から「住宅の修繕が間に合わない。1年延長してほしい」「放射線量が高い地域があり、町全体の一括解除は疑問だ」との意見が出された。
懇談会には計約100人が参加し、国側は第1原発の現状や町内の放射線量などを説明した。
町民からは、放射線量や水道水への不安を訴える声が目立ち「屋敷林や竹林の放射線量が高い。元の状態に戻るまで除染を続けるべきだ」「子どもが戻れる環境ではない」などの意見があった。国や町が安全性を強調する水道水では「水源の木戸ダムの湖底に堆積する放射性物質が豪雨などで巻き上がるのではないか」との懸念が示された。
準備宿泊で1泊したという男性は「夜は不気味なほどの静寂で、女性には厳しい環境だ。唐突に準備宿泊が実施され、対応できない人も多い」と指摘した。
懇談会後、いわき市に避難する山内茂樹さん(63)は「議論は平行線で、水の安全性も納得できる説明ではなかった。将来は帰りたいが、今は商店や医療機関もなく、帰町できる状況ではない」と述べた。一方、40代男性は「前に進むためにも、避難指示の解除は早い方がいい」と話した。
懇談会は5月10日まで、いわき市や楢葉町、東京などで計12回開かれる。今月6日に始まった準備宿泊は3カ月間。国は宿泊終了時点で、懇談会での意見も踏まえ、避難指示を解除するかどうかを判断する。