原子力規制委は9日、四電伊方原発3号機(愛媛県)の再稼働に向けた安全対策の審査を実質的に終了しました。
四電は近く安全対策を盛り込んだ原子炉設置変更許可申請の修正文書(補正書)を提出し、規制委は「合格証」となる審査書案の作成に入ります。
これで伊方原発が新規制基準に適合する3カ所目の原発となる見通しです。
伊方町は、内閣府が2012年4月29日に、南海トラフ沿いの巨大地震で津波最大高21mが襲うとしたところです。それなのになぜ防潮堤の高さが8・12mでOKとなったのか分かりません。
中央構造線断層帯が原発の北側の直ぐ近くにあるのに、基準地震動が650ガルでよいのかも疑問です。
また断層帯までの距離が短くて、地震時には初期微動から1秒後には本震が襲うのですが、その間に制御棒を挿入して核分裂を終了させられるのかも問題視されていました。
それらについてはどういう審査が行われてOKになったのでしょうか。
ここでも再稼動ありきの姿勢が感じられます。
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伊方原発:3カ所目の合格へ 新規制基準に適合
毎日新聞 2015年04月09日
原子力規制委員会は9日、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の再稼働に向けた安全審査会合を開き、残る課題となっていた火山噴火対策を確認し、安全対策の審査を実質的に終了した。四電は近く、審査を踏まえた安全対策を盛り込んだ原子炉設置変更許可申請の修正文書(補正書)を提出し、規制委は「合格証」となる審査書案の作成に入る。伊方原発は新規制基準に適合する3カ所目の原発となる見通し。
四電は2013年7月に伊方原発3号機の安全審査を申請。当初申請した原発のうち、伊方原発は新規制基準で設置が義務付けられた事故時の作業拠点「緊急時対策所」が完成していた唯一の原発で、審査が最も早く終了すると見られていた。しかし、原発北側にある中央構造線断層帯が震源となるとどんな地震が起きるかを巡って審査が長引いた。
一連の審査で、想定する最大の揺れ「基準地震動」は当初の570ガル(ガルは加速度の単位)から650ガルに、最大の津波の高さ「基準津波」は約4メートルから8.12メートルに引き上げた。施設の耐震設計も見直したため、工事は今秋まで続く。
伊方原発に先行して審査に合格しているのは、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)、関西電力高浜原発3、4号機(福井県)。【鳥井真平】