2015年4月21日火曜日

市議選と原発再稼働問題

 19日、市議選が告示されました。
 新潟日報が柏崎刈羽原発が立地する柏崎市30キロ圏の長岡、小千谷両市における立候補者の原発再稼動問題への言及の傾向を取り上げました。
 
 候補者は賛否に積極的に触れる候補と言及を避ける候補とに別れました。
 有権者も30キロ圏内では「候補の考えを知りたい」と積極的な論戦を望む人たちが多い反面、原発から遠い地域では「他のテーマについて聞きたい」というもあります
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原発再稼働、積極議論を 有権者「大きな争点」
新潟日報 2015年4月20日
 統一地方選の後半戦が19日告示され、東京電力柏崎刈羽原発が立地する柏崎市や30キロ圏の長岡、小千谷両市でも市議選がスタートした。同原発が国の新規制基準に適合すれば、立地自治体や周辺自治体の議会は再稼働に同意するかどうかの判断を迫られる可能性がある。「原発を有効に活用すべき」「事故が起きれば大変な事態になる」。マイクを握った候補者は持論を展開した。「票にならない」と言及を避ける候補者もいたが、有権者からは「候補の考えを知りたい」と積極的な論戦を望む声が上がった。
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[柏崎市議選] 賛否訴えに耳傾け
 柏崎刈羽原発が立地する柏崎市では、定数26に対し32人が立候補。各候補は口々に再稼働に対するスタンスを訴え、有権者に支持を求めた。
 推進派の現職は国道沿いの駐車場で第一声。「発電所を有効に利用した方がいい」と語り、街宣車に乗り込んだ。別の候補は出陣式で「原子力規制委員会の審査に適合した場合は再稼働すべきだ」とした上で「国が前面に出て説明責任を果たしてもらいたい」と国の関与を求めた。
 
 一方、脱原発を訴える現職は「福島の原発事故から4年たった今も、約12万人の避難者がふるさとに戻れていない」と訴えた。「ひとたび事故が起こればどういうことになるか、柏崎市民は分かっている」と強調。「命と原発のどちらが大切なのか問いたい」と呼び掛けた。
 12日に投開票された県議選では、柏崎市・刈羽区で再稼働問題についての論戦は目立たなかった。有権者からは議論を深めてほしいという声が聞かれた。
 演説を聞いていた柏崎市南光町の会社員男性(38)は「柏崎では原発は大きな争点。推進、反対いずれにしても市議選では有権者にはっきりと意思を表明するべきだ」と話した。
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[長岡・小千谷市議選]30キロ圏 候補者の言及目立たず
 原発の再稼働に際しては立地自治体だけでなく、同意を得る範囲を広げるべきだとの議論もある。柏崎刈羽原発から30キロ圏の長岡、小千谷の両市では一部候補者が原発について熱心に訴えたが、触れない候補者も多くいた
 「長岡は30キロ圏内。議会で原発再稼働問題を取り上げていく」。長岡市議選に出馬した現職は第一声で再稼働反対を鮮明にした。新人の1人も「反原発の戦いを進める」と強調した。
 ただ、東電福島第1原発事故から約1カ月後に始まった4年前の前回選に比べ、全体的には原発問題への言及は目立たない。地方創生を中心に訴えた現職は「原発問題は複雑で難しい問題。訴えても票にもならない」と明かす。
 
 有権者の間にも温度差がある。30キロ圏に含まれない同市栃尾地域の農業男性(71)は「人口減対策や経済対策の方に関心がある」と語る。一方、30キロ圏で暮らす同市の会社員男性(45)は「子どもの安全を考えると原発問題は切実。選挙で各候補の考えを知りたい」と訴えた。小千谷市のパート女性(27)も「安心して暮らせるエネルギー政策を議論してほしい」と求めた。