フランス原子力安全局はアレバ社が建設中の次世代原子炉について、核燃料の格納容器の安全性に懸念を表明しました。
不具合の詳細は不明ですが、フランスは地震の殆どない国なので耐震性ではなくて別の問題と考えられます。
注目すべきは、最新の知識を投入して十分に検討した筈の次世代型でも安全性に問題が見つかったという点で、今から40年以上も前に、やはり殆ど地震のない米国で開発された原発をそのまま導入している日本の原発に、安全上の問題がない筈がありません。最大の弱点が耐震性にあることも容易に想像ができます。
先の、高浜3、4号の再稼動を禁止した福井地裁の仮処分決定を目の敵にする原子力ムラやメディア(産経新聞など)は、「100%の安全性、ゼロリスクに固執するのか」、「新規制基準にケチをつけるのか」と大騒ぎをしていますが、ひとたび事故が起きれば取り返しのつかない大惨事を引き起こす原発に、「100%の安全性、ゼロリスク」を求めるのは極めて当然のことです。また既設の原発が稼動できるようにという前提で制定された新規制規準が、「極めて緩い」ものと断定されたのも至当といえるものでした。
100%の安全性がなくても使用が認められるのは航空機などであって、そのトータルの効用が低率で起きる大事故のマイナスを上回るという考え方に基くものです。しかも事故時の遭難者はその可能性を承知して搭乗するという特性が加味されています。
その点原発は火力発電などで十分に代替できるし、コスト上のメリットもないので、それを敢えて運転するというのであれば「100%の安全性、ゼロリスク」が求められるのは当たり前のことです。
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次世代原子炉の安全性に懸念=建設計画見直しも-仏アレバ
時事通信 2015年4月21日
【パリ時事】 フランス原子力安全局(ASN)は仏原子力大手アレバが建設中の次世代原子炉について、核燃料の格納容器の安全性に懸念を表明した。同型炉の導入を予定している中国当局は早期の対応を求めており、計画の見直しを迫られかねない事態に発展している。仏メディアが20日、報じた。