東電は28日、福島原発の汚染水対策として1~4号機建屋周囲の約1・5キロの地盤を凍らせる「凍土遮水壁」について、建屋山側(西側)の試験凍結を30日から開始すると発表しました。
今回の試験凍結では埋設物の影響で凍りにくい部分などを凍結管計58本で稼働させ、システムの状態や地中の温度変化を確認するということです。
しかし地中30mの範囲で凍結して水漏れがないことをどうして判断するのでしょうか(地下水の部分流速が10cm/日以上あると凍りません)。
完全に凍結しないと建屋周りの地下水位のコントロールができない(=日量400トンの汚水の発生を防止できない)ので、凍土壁を施工した意味がなくなります。
完全に凍結しないと建屋周りの地下水位のコントロールができない(=日量400トンの汚水の発生を防止できない)ので、凍土壁を施工した意味がなくなります。
一方海側の建屋とトレンチの接合箇所(縦横1.5m程度)はいまだに封止ができていないようです。海側の凍土壁はトレンチ2箇所を横断する形で施工するので、どのようにして凍土壁を施工するのか、その方法がまだ決まっていないということです。昨年6月2日に強引に着工してからもう1年近くになるというのに、です。
そのとき東電の担当者は「技術的な問題は何もない」※と強調して、問題点がさまざまに指摘されている中を凍土壁の工事に踏み切ったのでしたが、結果はこのありさまです。
※ 2014年6月4日 凍土壁は確実に凍結するのか 2日に着工
(関係記事)
2014年4月19日 地下水問題の決め手の筈の「凍土壁」に疑問が続出
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30日から試験凍結 第一原発 山側の凍土遮水壁
福島民報 2015年4月29日
東京電力は28日、福島第一原発の汚染水対策として1~4号機建屋周囲の約1・5キロの地盤を凍らせる「凍土遮水壁」について、建屋山側(西側)の試験凍結を30日から開始すると発表した。同日、原子力規制委員会が東電に凍結を認可した。今回の試験凍結では埋設物の影響で凍りにくい部分などを凍結管計58本で稼働させ、システムの状態や地中の温度変化を確認する。
凍土壁は1~4号機を取り囲むように埋め込んだ1500本超の凍結管に冷却材を循環させて地盤を凍らせ、建屋への地下水流入を抑制する計画。建屋山側の凍結が認められた一方で、建屋海側はトレンチ(電源ケーブルなどが通る地下道)に高濃度汚染水がたまっており、施工方法などをめぐって規制委の審査が続いている。