元京大原子炉実験所の小出裕章氏が25日、日本外国特派員協会で記者会見し、福島原発は「チェルノブイリのように石棺で(放射性物質を)封じ込めるしかない」と述べ、溶け落ちた核燃料の取り出しを目指す政府や東電の方針を否定しました。
先日、事故後4年目にやっと出来上がった格納容器内の撮影用ロボットが、1台目は原子炉内の外側を半周しただけでグレーチングの段差に挟まって動けなくなり、2台目もやはり逆方向に半周しただけで故障し、どちらも回収できなくなるという体たらくでした。
そんな対応装置の開発スピードでは、いつまで経っても溶け落ちた核燃料の取り出しなどは出来ないし、そもそも散らばっている燃料を取り切ることなど出来ないという見通しによるものです。
小出氏は今年の福島民報の元日号にも「石棺で覆い封印を」という記事を寄稿しています。
東電は現在空中に放出されている放射能の量は毎時1000万ベクレルと発表していますが、例によってそれが過小なゴマカシではないという保障は何もありません。
そんな状態をこの先ダラダラと何十年も続けるよりは石棺すべきだという主張です。
(関係記事)
2015年1月7日 (福島原発) 石棺で覆い封印を (小出裕章氏)
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小出裕氏「福島第1原発は石棺を」 元京都大助教
東京新聞 2015年4月25日
原発の危うさに長年警鐘を鳴らしてきた元京都大原子炉実験所助教の小出裕章氏が25日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見した。事故発生から4年が経過した東京電力福島第1原発について「チェルノブイリのように石棺で(放射性物質を)封じ込めるしかない」と述べ、溶け落ちた核燃料の取り出しを目指す政府や東電の方針を否定した。
小出氏は、第1原発の現状について「4年たっても現場に作業員が行けない事故は原発以外にない」と指摘。1~3号機では、溶け落ちた核燃料が原子炉格納容器内に散らばっているとみられることから「機器を使って取り出せる燃料の量は高が知れている」と話した。 (共同)