2015年11月2日月曜日

東電の自治体賠償支払は依然1割 自治体は運営に困難も 

 福島原発事故に伴う自治体賠償は、事故から既に4年8カ月近くがたっていますが福島県内56市町村が請求した553億3900万円に対し、東電が支払ったのは11・4%の62億8900万円にとどまっています
 この結果は当然自治体の財政運営に影響を与えています
 
 なぜ賠償問題でこんな風に加害者側がイニシアチブを持つことが出来るのか、本当に不思議な話です。これまでトップ企業として無数の役人の天下りを受け入れてきたので、もはや何も怖いものはないというのでしょうか。
 
 東電には資金は大有りです。
 今期は原油や液化天然ガス(LNG)の価格下落したので、9月中間連結決算における経常利益前年同期比50・4%増の3651億円と、中間期として空前の利益をあげています。
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支払い依然1割 財政運営に影響 自治体賠償
福島民報 2015年11月1日
 東京電力福島第一原発事故に伴う自治体賠償で、県内56市町村が請求した553億3900万円に対し、東電が支払ったのは11・4%の62億8900万円にとどまる事故から4年8カ月近くがたっても東電との交渉は進まず、自治体の財政運営に影響を与えている。
 福島民報社の調査で分かった。30日までに全59市町村から回答を得た。 
 
 各市町村の請求総額と、東電からの支払総額は【表】(コピー不能のため省略)の通り。請求総額の平均は9億8820万円で、10億円を超えたのは11市町。双葉町の192億5335万円が最も多く、次いで郡山市71億8933万円、福島市59億970万円、いわき市35億1508万円となっている。 
 一方、請求総額に対する東電の支払総額の割合は11・4%。平成25年8月の前回調査7・0%(請求総額342億3000万円、支払総額24億1000万円)を4・4ポイント上回るが依然として低率だ。 
 
 請求額の多くは人口減に伴う住民税や固定資産税の減収分、原発事故対応の職員増に伴う人件費など。東電は支払いが進まない理由を「請求額が膨大で精査に時間がかかっているため」としている。 
 「賠償金の未払いが市町村の財政運営に影響を与えているか」との質問では、10市町村が「大きな影響を受けている」、26市町村が「影響を受けている」と回答した。 
 「大きな影響がある」と回答した桑折町は請求総額に対して支払いが23・1%。「未払い分は一般財源を充てており、他の事業も抑制を余儀なくされている」として、このままなら事業の遅滞や町民サービスの低下を招きかねないとみる。富岡町は「帰町に向けて施設の復旧に取り組むところだが、賠償が決まらず、財源確保に苦慮している」と訴えた。 
 
 このような状況を踏まえ、15市町村は裁判外紛争解決手続き(ADR)による原子力損害賠償紛争解決センターへの和解申し立ての検討に入った。請求額の多い市部や避難区域が設けられた町村に目立つ。福島市と桑折町は既に申し立てを行い、水道事業などの賠償で東電と和解合意している。残る39市町村は「予定なし」としているが、須賀川市は「他市町村の動向を見ながら対応する」としており、今後、検討する自治体は増える可能性がある。 
 東京電力は「具体的な算定基準が策定できた項目から賠償金請求を受け付け、早期支払いに取り組んでいる。それ以外の項目も請求を受けた場合は事情を聴きながら適切に対応している」と説明している。