11日、東海村議会の特別委は、市民グループが2013年5月に提出した、東海第二原発の再稼働中止の意見書採択を求める請願の採決を見送ることを決めました。
来年1月に村議選があり、改選後に審議を持ち越すことはできないため、請願そのものが審議未了で葬り去られることになります。
請願を提出した主婦は「再稼動の計画がないから判断できないという話ではない。請願の趣旨を取り違えている」と強く抗議しました。
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「東海第二の再稼働認めない」市民団体請願 東海村議会特別委が採決見送り 茨城
東京新聞 2015年11月12日
東海村議会は十一日、原子力問題調査特別委員会(豊島寛一委員長)を開き、村内にある日本原子力発電東海第二原発の再稼働を認めないよう意見書の採択を求め、市民グループが提出した請願の採決を見送ることを決めた。来年一月に村議選があり、改選後に審議を持ち越すことはできないため、審議未了で請願そのものが葬り去られることになりそうだ。 (山下葉月)
請願は二〇一三年五月、東海村の母親でつくる市民団体「リリウムの会」が提出した。東海第二原発事故に備えた具体的な避難計画ができるまで、再稼働を認めないよう議会に求めている。会は、その前年にも再稼働中止の意見書採択を請願したが、賛成少数で不採択になっている。
議長以外の議員が所属する特別委では、出席した十八人の議員全員が、請願の採決について意見を述べ合い、賛成と反対が真っ向からぶつかった。吉田充宏議員(新政会)は「村が避難計画を作成中で、中身のない状態で審議はできない」と主張、採決に反対するほかの議員も口をそろえた。これに対し、恵利いつ議員(光風会)は「請願者の思いをくむべきだ」と呼び掛け、改選前の十二月定例会での採決を主張した。
採決に反対する十二人に対し、賛成は六人にとどまり、審議の打ち切りは決定的となった。
特別委は、請願を受理した直後から、約二年半にわたり継続して審議してきた。この間、半年以上も審議が持ち越されたこともあった。特別委終了後、取材に応じた豊島委員長は「村の避難計画の完成を待っていた部分もあった」と明かし「議論は尽くされたとは言い切れないが、計画がないことも事実だ」と述べ、審議未了に理解を求めた。
請願を提出し、原発から二キロ足らずの村内に住む主婦(44)は「採決すらないとは思わなかった」とぼうぜんとし、「計画がないから判断できないという話ではない。請願の趣旨を取り違えている」と強く抗議した。