もんじゅの点検漏れ問題で、原子力規制委員会は2日、運営する日本原子力研究開発機構の児玉敏雄理事長から改善状況を聴取しました。
児玉氏は「(完了まで)もう少しだ」と進展を強調したのに対し、規制委側からはリスクの高いもんじゅの担い手としての資質を疑う声が相次ぎました。
規制委は4日にあらためて議論しますが、もんじゅを機構から切り離し、新たな組織に移管することなどを文部科学省に勧告する可能性が高いということです。
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もんじゅ改善「手詰まり」 規制委、機構を聴取 対応批判
東京新聞 2015年11月3日
高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の点検漏れ問題で、原子力規制委員会は二日、運営する日本原子力研究開発機構の児玉敏雄理事長から安全管理体制の改善状況を聴いた。児玉氏が「(完了まで)もう少しだ」と進展を強調したのに対し、規制委側からはリスクの高いもんじゅの担い手としての資質を疑う声が相次いだ。
この日の臨時会で児玉氏は、来春をめどに組織的な問題点を洗い出し、職員の教育に注力することを説明し、「引き続きもんじゅの運営を担っていきたい」と訴えた。
これに対し、規制委の委員からは「手詰まりと聞こえる。ナトリウム漏れ事故を受けた一九九六年の改革以降、ずっと改善の機会はあったが、違反を繰り返している」(更田豊志(ふけたとよし)委員)などの批判が出た。
田中俊一委員長からも「(点検などは)検査があるからやる、というものでない。非常に心もとない」と、機構にはもんじゅの運営を任せられないとの発言があった。
規制委は四日にあらためて議論し、もんじゅを機構から切り離し、新たな組織に移管することなどを、所管する文部科学省に勧告する可能性が高い。