九電は、使用済み核燃料を保管する乾式貯蔵施設を玄海原発と川内原発にそれぞれ建設することを検討しているということです。
乾式貯蔵は、使用済み核燃料を貯蔵プールで一定期間冷却した後、特殊な金属製容器に閉じこめ、外気で冷やす方式で、プールで冷却保管する「湿式」より、事故時に搬出しやすいなど管理が容易で、福島第1原発事故の際も乾式貯蔵施設は問題がなかったとされています。
現在の各原発の燃料保管プールは余裕が少なくて、再稼動するとあと数年で満杯状態になります。その対策ということであれば何をかいわんやですが、より安全なものを不断に指向するのは必要なことです。
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九電、原発敷地内に乾式貯蔵施設検討 玄海、川内で使用済み核燃料保管
佐賀新聞 2015年11月22日
九州電力が、使用済み核燃料を保管する乾式貯蔵施設を玄海原発(東松浦郡玄海町)と川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の、それぞれの敷地内に建設を検討していることが分かった。九電が乾式貯蔵施設建設の検討で、設置場所を「原発敷地内」と明らかにしたのは初めて。今後、佐賀県や玄海町など関係自治体と調整をしながら、具体的な計画策定を進めるとみられる。
使用済み核燃料の将来の対策方針として、「安全性向上対策も考慮し、敷地内の乾式貯蔵施設を検討している」と経産省に20日説明した。当面の対策方針には、玄海3号機の貯蔵プールで燃料を置く間隔を詰めて置き直し、保管スペースを増やす「リラッキング」を示した。ただ、2010年の国への申請後、福島第1原発事故が発生し、見通しは立っていない。
乾式貯蔵は、使用済み核燃料を貯蔵プールで一定期間冷却した後、特殊な金属製容器に閉じこめ、外気で冷やす方式。従来のプールで冷却保管する「湿式」より、事故時に搬出しやすいなど管理が容易で、リスクが少ないとされる。福島第1原発事故の際も乾式貯蔵施設は問題がなかったとされ、原子力規制委員会も各電力会社に設置や増設を促している。
使用済み核燃料をめぐっては、青森県六ケ所村にある日本原燃の再処理工場の完成が見通せないなか、各原発の貯蔵プールの容量には余裕がなくなってきている。玄海も再稼働すれば5、6年程度で貯蔵プールが満杯になるとされる。九電の瓜生道明社長はこれまでも、乾式貯蔵の有効性に触れ、六ケ所村に搬出するまでの「バッファ(緩衝)としての中間貯蔵」の必要性を説明していた。