一向に動こうとはしない日本の核燃サイクルは、もはや考え方が時代遅れだということです。
六ヶ所村の「軽水炉 核燃サイクル」は、もともと経済的に何のメリットもないものです。
それに「高速増殖炉 核燃サイクル」は、もしも正常に稼動すれば「プルトニウム」が増加するので、プルトニウムを保管しないという国際公約にはそもそも合致しないものです。
「軽水炉 核燃サイクル」が正常に稼動して、「高速増殖炉」用の「ウラン+プルトニウム」燃料を生産したとしても、それの「高速増殖炉」への装荷は初期の1回のみなので、元々サイクルなどと呼べるものではありません。
それに「高速増殖炉」の実装置化などは、あまりにも危険すぎて真面目に考えるような話ではありません。
それなのに原子力ムラは二言目には、「高速増殖炉」は「核燃サイクルの中核をなすもの」という言い方をします。
いつ爆発するか(そうなれば対処方法はありません)分からない危険な装置である上に、不要なプルトニウムを生み出すという始末に負えないもののどこが一体「中核」だというのでしょうか。
核燃サイクルはすべて中止すべきです。
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<核燃サイクル> 専門家「政策は時代遅れ」
河北新報 2015年11月25日
核燃料サイクルの主な仕組みは図の通り。使用済み核燃料からプルトニウムとウランを取り出し、混合酸化物(MOX)燃料を製造して活用する。
高速増殖炉もんじゅは、燃料として利用した以上のプルトニウムを生む「夢の原子炉」の原型炉。国は実証炉、商用炉を段階的に開発する間、MOX燃料を利用する計画だった。
運転実績は1995年のナトリウム漏れ事故以来、ほとんどなく、運営主体の日本原子力研究開発機構は機器点検漏れなど管理ミスを繰り返した。原子力規制委員会は今月13日、「機構は必要な資質を有していない」とし、別の運営主体を見つけるよう文部科学省に勧告した。
核燃料サイクルへの影響について、所管する林幹雄経済産業相は「(問われているのはもんじゅの)管理体制。政策そのものではない」とかわし、当面は通常の原発(軽水炉)でMOX燃料を使うプルサーマル中心のサイクル政策を描く。
その場合も再処理工場の稼働が不可欠だが、当初計画で97年完成だった工場は試運転中のトラブルによる工程ずれ込みや、規制委の安全審査への対応遅れが続く。原燃は新たな安全対策などを理由に今月16日、完成時期を2016年3月から18年度上期に延期した。
福島第1原発事故後、原発再稼働のハードルは高まり、事故前に全国で4基だったプルサーマルが拡大する見通しは立っていない。
明治大の勝田忠広准教授(原子力工学)は「(核燃料サイクルは)科学的に古い技術になった。電力需要対策など政策の目的も時代遅れ。政府は表面上『実現する』と主張するが、何をもって成功とするのかを定義し、国民が判断しやすい状況を作るべきだ」と見直しを訴える。