2015年11月13日金曜日

もんじゅ関連 核燃料船、廃止含め見直しを 行政事業レビュー

 11日午後、中央省庁の事業に無駄がないか公開点検する「行政事業レビュー」で、有識者は原子力関連事業のうち、9年間で4回しか使われていない使用済み核燃料の運搬船「開栄丸」に毎年度支払われている約12億円の維持費に関し「契約打ち切りや内容の見直しを含め、最も合理的な方法に改めるべきだ」と求めました。
 開栄丸は高速増殖炉もんじゅ(福井県)を運営する日本原子力研究開発機構が2006年に建造しましたが、10年度以降は使われていません
 
 文部科学省は「開栄丸」の来年度の予算を要求しない考えを明らかにしました。これまでの年額12億円もの支出は一体何だったのかということです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
もんじゅ関連予算 有識者から問題指摘相次ぐ
NHK NEWS WEB 2015年11月12日
政府の行政改革推進会議の会合で、運転できない状況が続く高速増殖炉「もんじゅ」の使用済み核燃料を運ぶ船やその燃料を再処理するための研究施設に使われる予算に対して、有識者から問題があるという指摘が相次ぎました。
 
11日に始まった国の予算にむだがないかを公開で検証する、政府の行政改革推進会議の会合では、核燃料サイクルに関する事業が大きなテーマの1つになりました。
この中で、福井県にある高速増殖炉「もんじゅ」の使用済み核燃料などを運ぶ運搬船「開栄丸」の維持費などとして、毎年およそ12億円が支出されていることが取り上げられました。
有識者からは、もんじゅが相次ぐトラブルなどで運転できないため、船が使われたのはこの9年間で4回しかないなどとして、支出の妥当性に疑問が投げかけられました。
所管する文部科学省の担当者は「将来的に船を使う可能性はゼロではない」などと反論しましたが、有識者のチームは「ほとんど使われていないのに、支出を続けるのは問題だ」として、使用の中止や輸送会社との契約内容の見直しを求めました。
 
また、もんじゅの使用済み核燃料を使って再処理技術を研究する施設の建設が中断している問題も取り上げられました。
文部科学省はすでに投じた830億円余りの建設費などがむだにならないよう、別の施設に改造する方針を決めていましたが、「別の施設も本当に必要なのか」といった指摘を受け、来年度の予算を要求しない考えを明らかにしました。
 
会合のあと、河野行政改革担当大臣は「もんじゅは、新たな運営組織を見つける必要があるし、そもそも動くかも分からない。核燃料サイクルについては、この予算は有効なのか、今必要なのかを個別に考える必要がある」と述べました。 
 
 
核燃料船、廃止含め見直しを=河野担当相「維持費かかるだけ」
  -行政事業レビュー
時事通信 2015年11月11日
 政府の行政改革推進会議は11日午後、予算の使い道を有識者が公開検証する秋の「行政事業レビュー」で、高速増殖炉「もんじゅ」を運用する日本原子力研究開発機構の事業内容について精査した。河野太郎行革担当相は同機構が所管し、長期間使用されていない核燃料輸送船「開栄丸」について、「維持費がかかるだけだ」と断じ、機構に交付金を支出している文部科学省に対し、廃船を含めた船舶管理会社との契約見直しを指導するよう求めた。
 議論で有識者は機構の体質そのものに問題があるとの認識で一致。支出のうち、開栄丸の維持費など多くの契約書が秘密事項となっている点を改めるよう求めた。