2016年6月26日日曜日

原発避難集団訴訟10月31日に結審へ(群馬)

 福島原発事故で群馬県内に避難している住民ら137人が、国と東電に計約15億円の損害賠償を求めている集団訴訟について、24日、前橋地裁 原道子裁判長は1031日に結審する考えを示しました。この種の訴訟で2例目となる実地検証も已済んでおり、全国で係争中の同種裁判28件のうち最も早審理進捗しています
 
 本当に苦しめられている原告の気持ちが裁判長には伝わったと思う」、裁判長らによる自宅の実地検証を受けた原告は、24日、閉廷後の会見でその様に心境を語りました
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原発避難集団訴訟1031日に結審へ 主な争点の主張にめど群馬
東京新聞 2016年6月25日
 東京電力福島第一原発事故を受け県内に避難している住民ら百三十七人が、国と東電に計約十五億円の損害賠償を求めている集団訴訟の口頭弁論が二十四日、前橋地裁であり、原道子裁判長は十月三十一日に結審する考えを示した。原告側弁護団によると、東京や福島など全国で係争中の同種裁判二十八件(二月時点)のうち、審理の進捗(しんちょく)は最も早い。
 この日、原裁判長はこれまでの証拠内容を確認。主な争点の主張はほぼ尽くされたとの認識を示した。
 提訴されたのは二〇一三年九月で、ようやく結審のめどがついた。これまで双方が準備書面などで主張するほか、昨年五月~今年二月に原告計四十一人の本人尋問を実施。五月には全国二例目となる福島県内での現地検証を行っていた。
 判決について、弁護団は「来年三月までに言い渡されるのでは」との見通しを示した。次回は九月二日に開かれる。
 同種裁判のうち、千葉地裁では来年一月三十一日に結審する予定。
 
◆苦境「裁判長に伝わった」 現地検証受けた原告が会見
 本当に苦しめられている原告の気持ちが裁判長には伝わったと思う-。東京電力福島第一原発事故に伴う県内避難者らが前橋地裁に起こした集団訴訟で、五月に福島県内にある自宅の現地検証を受けた四十代の原告女性は二十四日、閉廷後の会見で心境をこう語った。
 女性を含む家族六人は、福島県南相馬市の小高区に住んでいたが、事故を受けてまもなく前橋市内に移り住んだ。震災による自宅の損傷はそれほどでもなかったが、長い間留守にしている影響でカビの臭いがひどく、室内は動物に荒らされるなどして「今はとても住めない状況」という。
 六人とも訴訟の原告団に名を連ねている。仕事の都合で現地検証に立ち会ったのは夫だったが、女性は「原道子裁判長は熱心に家を見て回り、しっかり確認してもらったと聞いている」と話した。
 
 一方、国や東電側の代理人らも現地検証に立ち会ったが、台所に置いてあった造花を生花と勘違いし、「花がにおいの原因では」と言われたそうで、女性は「本当に機械的で心のない話をする方でどうしようもない」と憤った。
 現地検証は五月九日に行われ、福島県内にある原告四世帯の住居を回った。(川田篤志)