2016年6月28日火曜日

玄海原発 MOX燃料使用差し止め 福岡高裁も認めず

毎日新聞 2016年6月27日
九州6県の市民団体メンバーら98人の控訴棄却 
 九州電力玄海原発3号機(佐賀県玄海町)のプルサーマル発電を巡り、九州6県に在住する市民団体メンバーら98人が、九州電力を相手取って使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料の使用差し止めを求めた訴訟の控訴審で、福岡高裁(大工強裁判長)は27日、請求を棄却した1審・佐賀地裁判決(2015年3月)を支持し、市民側の控訴を棄却した。 
 
 控訴審で市民側は、1審と同様に
(1)運転中にMOX燃料から出るガスで燃料を覆う管と燃料との間にすき間が広がる「ギャップ再開」が起き、燃料の温度が上昇して炉心溶融(メルトダウン)につながる可能性がある
(2)使用済みMOX燃料を長期保管することで、放射性物質が漏えいして周辺住民の健康を害する危険がある
    などと主張した。九電側はギャップ再開は起きず、使用済み燃料は適切に保管しているので安全と反論していた。 
 
 玄海原発3号機は、09年12月に国内初のプルサーマル発電を開始。10年12月に定期検査で運転を停止し、11年4月から運転再開を予定していたが、福島第1原発事故を受けて停止されたままの状態にある。九電は13年7月、原子力規制委員会に再稼働の申請をし、審査は大詰めを迎えている。【吉住遊】