NHK NEWS WEB 2016年6月17日
福井県にある高浜原子力発電所3号機と4号機について、関西電力は運転停止を命じた裁判所の仮処分の決定に対する申し立てが退けられ、停止が長期化する可能性があるとして、ことし8月に原子炉から核燃料を取り出すことを決めました。
高浜原発3号機と4号機は、ことし1月から順次、再稼働しましたが、3月に大津地方裁判所が運転停止を命じる仮処分の決定を出し、運転できない状態が続いています。
関西電力は決定の取り消しを求めて異議を申し立てるとともに、仮処分の決定の効力を停止するよう申し立てていましたが、大津地方裁判所は17日このうち、効力停止の申し立てを退け、効力を維持する判断を示しました。
これを受けて関西電力は、運転停止が長期化する可能性があるとして、3号機と4号機の原子炉にある合わせて314体の核燃料を取り出し敷地内の燃料プールに移すと発表しました。
それによりますと、4号機はことし7月中旬から準備を始め8月上旬に、3号機は8月上旬に準備を始め8月下旬にそれぞれ3日間かけて核燃料を取り出すとしています。
これによってこれまで原子炉と燃料プール2か所ずつ4か所で行ってきた監視を燃料プールの2か所にするということです。
高浜原発の運転停止を命じた仮処分の決定を巡っては、残る異議の申し立てに対する判断が今後、示されますが、決定が覆らないかぎり運転できない状態が続きます。