河北新報 2016年6月23日
東京電力が福島第1原発事故の当初、「炉心溶融(メルトダウン)」を隠蔽(いんぺい)していた問題で、東電は22日、今後の対策などを福島県に説明した。樵(きこり)隆男危機管理部長は事実をありのまま伝える姿勢に欠けると批判。説明に納得せず、再出発する姿勢と方向性を改めて示すよう東電に求めた。
福島復興本社の林孝之副代表らが県庁を訪問。当時の清水正孝社長が「炉心溶融」の言葉使わないよう指示していたことについて「県民の皆さんの思いに寄り添えず、申し訳なく思っている」と謝罪した。
樵部長は、広瀬直己社長が21日の記者会見で「社会から隠蔽と取られるのは当然」と述べたことを「なぜ素直に『隠蔽だ』と言えないのか」と問題視。再発防止策については「ありのままに伝えるという言葉が入っていない」と述べ、「(原発事故と廃炉に向き合う)県民の方を向いていない」と厳しく指摘した。
その上で、県と地元自治体でつくる廃炉安全監視協議会などの場で、会社としての対応を改めて説明するよう要請した。