伊方原発3号機は、新規制基準に向けた重大事故対策をほぼ終えており、今月中旬に燃料を装着し7月下旬に再稼働させる構えです。
それに対して市民団体「原発さよなら四国ネットワーク」などは、再稼働の危険性を訴えるパンフレットを原発20キロ圏で約2万4000冊を配布し、11日には伊方原発前で座り込みを予定しています。
さらに、広島、愛媛の住民らは「熊本地震の影響で地震が連動して起きるリスクが高まった」などとして、運転差し止めを求める仮処分を広島、松山両地裁に相次ぎ申請し、大分の住民も7月に申請する方針です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
伊方原発 再稼働大詰め 脱原発団体は阻止の動き
毎日新聞 2016年6月9日
伊方原発3号機の再稼働が大詰めを迎えている。四国電力は新規制基準に向けた重大事故対策をほぼ終えており、今月中旬に燃料を装着し、7月下旬に再稼働させる構えだ。一方、脱原発グループは運転差し止めの仮処分を裁判所に申請するなど、再稼働阻止の動きを強めている。
伊方3号機は福島第1原発事故直後の2011年4月に定期検査のため運転停止。四電は再稼働に向け、13年7月に安全審査を原子力規制委員会に申請すると共に工事を進めていた。当初15年11月に完了予定だったが、竜巻対策が難航し、約半年遅れた。
重大事故対策は、地震▽津波▽火災▽竜巻−−など11項目で、工費は約1100億円。基準地震動の650ガル以上の揺れに耐えられるよう、約3000カ所を補強。浸水対策の水密扉を設けるなどした。電源対策の非常用ガスタービン発電機を17年度、原子炉格納容器内の圧力を下げるフィルター付きベントは19年度までに整備し、工費は最終的に約1700億円となる見通し。
再稼働に理解を得るため、四電は原発周辺3市1町の約2万8000戸を対象に戸別訪問を続けており、間もなく終了する見込み。一方で、市民団体「原発さよなら四国ネットワーク」なども5月、再稼働の危険性を訴えるパンフレットを原発20キロ圏で約2万4000冊配布。今月11日には伊方原発前で座り込みを予定している。
さらに、広島、愛媛の住民らが「熊本地震の影響で地震が連動して起きるリスクが高まった」などとして、運転差し止めを求める仮処分を広島、松山両地裁に相次ぎ申請した。大分の住民も7月に申請する方針。【渕脇直樹】