2016年6月1日水曜日

福島県知事がトリチウム処分に慎重対応を求める

 資源エネルギー庁の専門家会合27日、高濃度トリチウム汚染水の処分方法について、薄めて海に放出するのが最も期間が短く、費用も最も安いとする報告書案をまとめたことに対して、内堀雅雄福島県知事は30日の定例記者会見で「合理性だけでなく社会的影響を踏まえて検討してほしい」と述べ、国に慎重な対応を求めました。当然のことです。
 
 現在汚染水タンクに貯蔵されている汚染水は約100万トンなので、平均のトリチウム濃度を1リットル当たり10万ベクレルとすれば、トリチウムの総量は100兆ベクレルになります。
 そんな膨大な量のトリチウムを海水希釈と称して放出するのは、まさに大問題です。
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<福島第1>トリチウム処分 慎重対応求める
   河北新報 2016年5月31日
 東京電力福島第1原発で発生した汚染水の浄化後に残る放射性物質トリチウムの処分方法を巡り、内堀雅雄福島県知事は30日の定例記者会見で「合理性だけでなく社会的影響を踏まえて検討してほしい」と述べ、国に慎重な対応を求めた。
 
 政府の検討会は27日に終えた技術的評価で、海洋放出が最も短期間に低コストで処理できると公表。政府は新たな検討の場を設け、対応を総合的に判断する。
 海洋放出には風評被害を懸念する漁業者らが反発しており、内堀知事は「環境や風評に大きな影響を与えかねずデリケートな問題」と指摘。政府による今後の検討では「漁業者や県民の思いを考え、丁寧に議論を進めていくことが重要だ」と述べた。
 
 技術的な評価では海洋放出のほか、(1)深い地層に注入(2)蒸発(3)水素に変化させて大気放出(4)固化またはゲル化し地下に埋設-の各方法について検討された。