原発事故訓練、空と海で備え 京都府北部、3700人参加
京都新聞 2017年11月13日
原発事故を想定した総合防災訓練を、京都府などが12日実施した。府北部3市町の住民3400人を含む約40機関3700人が参加。大地震による道路寸断を想定し、宮津市では船とヘリコプターでの避難を初めて試みた。
訓練は、来年1月に再稼働が計画されている大飯原発3号機など福井県の原発が大地震に遭い、放射性物質が放出されたと想定。宮津市では、由良地区に海上保安庁のヘリが着陸し、入所者役の福祉施設職員ら4人を綾部市まで空輸した。養老地区では巡視艇が住民5人を漁港から宮津海上保安署(宮津市鶴賀)へ運んだ。
綾部市や京丹波町などでは住民が地区ごとにバスで避難し、車内で安定ヨウ素剤に模したあめを受け取った。中丹文化会館(同市里町)に着くと、放射線の測定を受け、除染を模擬体験するなどした。
主要避難路が国道178号線しかない養老地区から参加した農業杉山雄作さん(38)は「みんながマイカーで逃げれば国道は渋滞し、身動きが取れないし、地震で通行できなくなればヘリに頼るしかない」と原発事故を心配していた。