東電福島原発事故で避難した福島県楢葉町の男性に対し、東電が支払い済みの賠償金約5千万円の返還などを求めています。
東電は男性が事故時、賠償対象外の神奈川県に単身赴任中だったことが判明したためと説明していますが、男性は「住民票は楢葉町にあり、毎週末帰宅していた」と反論、訴訟も検討しています。
遠地に単身赴任であれば賠償の対象外というのは東電が決めたことですが、今頃になって莫大な返還を要求し、そのうち2130万円相当分を今後の賠償から無条件で相殺するというのは冷酷な仕打ちです。
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原発事故賠償の返還請求 東電、被災者に5千万円 単身赴任「対象外」
産経新聞 2017年11月4日
東京電力福島第1原発事故で避難した福島県楢葉町の男性に対し、東電が支払い済みの賠償金約5千万円の返還などを求めていることが4日、分かった。
東電は男性が事故時、賠償対象外の神奈川県に単身赴任中だったことが判明したためと説明。男性は「住民票は楢葉町にあり、毎週末帰宅していた」と反論、訴訟も検討している。
返還を求められているのは現在、福島県いわき市に避難中の不動産会社社長、新妻宏明さん(58)。東電から9月、本来は賠償対象ではないのに約5110万円を支払っていたことが判明したとの文書が届いた。東電側は、うち2980万円について実際に返還を求め、残り2130万円は、今後支払う賠償などを減額して相殺するとした。
東電福島本社は取材に「賠償は事故時に避難区域内に生活拠点があった人が対象で、後から異なる事実が発覚すれば返還を求めることもある」とした。