東電は15日、福島第1原発3号機の原子炉建屋作業床を報道各社に公開しました。1~3号機の内部公開は初めてで、内堀雅雄福島県知事も現場を視察しました。
最上階にあるプール付近の空間放射線量は毎時約500マイクロシーベルトで、2時間いるだけで年間被爆許容量に達します。そのため最上階での視察は約5分間に制限されました。
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福島知事が第1原発視察 「燃料取り出しに進展」
京都新聞 2017年11月15日
福島県の内堀雅雄知事は15日、事故が起きた東京電力福島第1原発を訪れ、廃炉作業の状況を確認した。3号機の使用済み核燃料プールがある原子炉建屋では最上階に立ち入り「燃料を取り出す作業が大きく進んだ」と述べた。
内堀氏の視察は、就任以来3回目。プールには燃料566体が残されたままになっており、計画では18年度半ばに取り出しを開始する。内堀氏は建屋上部を覆うドーム状の屋根カバーや、プール内で燃料を輸送容器に移す「燃料取扱機」の設置状況などを確かめた。
プール付近の空間放射線量は毎時約500マイクロシーベルトを計測し、最上階での視察は約5分間に制限された。
<福島第1原発>3号機建屋内、初公開 灰色の鋼鉄一面
河北新報 2017年11月16日
東京電力は15日、使用済み核燃料の取り出し準備が進む福島第1原発3号機原子炉建屋の作業床を報道各社に公開した。炉心溶融(メルトダウン)した1~3号機の内部公開は初めて。内堀雅雄福島県知事も同日、現場を視察した。
公開したのは、地上36メートルの高さにある作業床(約1050平方メートル)。2018年秋ごろに予定する燃料取り出し開始に向け、水素爆発で吹き飛んだ上部を覆うかまぼこ形カバーの設置作業が進められている。
エレベーターで地上30メートルまで上った後、階段を使って作業床に入った。放射線を遮る灰色の鋼鉄が一面に敷かれ、ブルーシートに覆われた取り出し装置が据え付けられていた。
プール開口部から燃料を冷やす水が張られている様子が見えた。プールに近づくにつれ放射線量が上がり、最大で毎時約0.5ミリシーベルトを計測した。滞在時間は20分に限られた。
内堀知事は東電社員約350人を前に「復興を前に進めるため廃炉をしっかり成し遂げてほしい」と激励した。東電の小早川智明社長らも同行した。
取材に内堀知事は「昨年の視察時に比べ廃炉が大きく進展した」と評価。「(廃炉の進展は)住民の帰還や風評払拭(ふっしょく)にも関わる。国内外に進行をリアルタイムで伝える必要がある」と述べた。