宮城県議会 原発政策で与野党が綱引き
河北新報 2017年11月28日
宮城県議会11月定例会の政調会長会議が27日、県議会棟であり、原子力政策を協議する調査特別委員会の設置で与野党が対立した。東北電力が2018年度後半以降に目指す女川原発(女川町、石巻市)の再稼働を見据えて議論を活性化させたい野党に対し、与党は「原発は国策であり県議会になじまない」と反論した。
原子力関連の委員会設置を求めたのは、民進党系「みやぎ県民の声」(9人)など4会派。同会派の太田稔郎氏が「村井嘉浩知事は『再稼働は議会の意見を聴く』と言うが、議論する場がない」と要望した。
最大会派「自民党・県民会議」(31人)の佐々木賢司氏は「再稼働は会派間の立ち位置が違い、特別委はなじまない」と反発。公明党県議団(4人)の遠藤伸幸氏も「原発はあくまで国の施策」と強調した。
社民党県議団(2人)の熊谷義彦氏は「再稼働の是非は協議せず、再生可能エネルギーを中心にする」と折衷案を示し、共産党県議団(8人)の天下みゆき氏も「原子力防災をテーマにしてはどうか」と提案したが、結論は出なかった。
特別委は五つ設置する予定で、「大震災復興」「いじめ・不登校」「スポーツ振興」の3委員会は決定。残る二つの取り扱いは12月4日以降に再協議する。