日テレが、原発の関する今年(以降)の課題をまとめました。
客観的な報道になっています。
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将来原発をどうするか 重要な議論の年
日テレニュース 2018年1月1日
2016年11月、温室効果ガス排出削減のための新たな国際枠組み「パリ協定」が発効した。
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日本は国際社会に対し2050年までに80%の排出削減という高い目標を掲げている。二酸化炭素を大幅に減らしながら必要なエネルギーをどうやって確保するのか。資源エネルギー庁は去年夏に「エネルギー情勢懇談会」という会議を立ち上げ、今年3月までをメドに、将来のエネルギー政策について議論を続けている。しかし革新的な発電技術は見つかっておらず、再生可能エネルギーの普及も進まない現実。この会議では「やはり原発に頼らざるを得ないのではないか」という見方が強まっている。
去年の総選挙では希望の党や立憲民主党が原発ゼロを公約に掲げたが、その具体的な行程を示せていない。国民的な議論が深まる事のない一方で、国で行われている議論は徐々に煮詰まりつつある。日本は将来の原発をどうするのか。原発を続けるには未解決の問題が残ったまま。
一つが不可避的に生じる核のゴミをどこに捨てるのかという問題。核のゴミとは使用済みの核燃料を再処理した際に生じる高レベル放射性廃棄物だけではない。原発を廃炉にした際に生じる大量の低レベル放射性廃棄物。さらには福島第一原発の廃炉で生じる廃棄物。1000トンにも上るとみられる燃料デブリ等々。これらの問題にはいずれも道筋はついていない。
さらに福島第一原発事故の検証。これも全て終わったわけではない。事故がどのように進展したのか。コンピューターシミュレーションによって分析が行われているが、実際にメルトダウンした3つの原子炉の中を十分に調べたわけではない。去年からは原子炉格納容器の内部調査が本格的に始まり、今月末にも2号機の再調査が予定されているが、得られた情報はまだ限定的。
先月、東電は「福島原子力事故発生後の詳細な進展メカニズムに関する未確認・未解明事項の調査・検討結果」という資料を公表した。こうした調査結果の公表はこれで5回目。今回は「水素爆発を引き起こした水素はどこから流れてきたのか」「非常用の自家発電機が機能不全に陥ったのは津波浸水のためと言えるのか」といった事故進展のメカニズムに関し、重要な調査・分析結果をまとめた。福島第一原発での事故から間もなく7年。こうした事故の分析は続いているが、まだ分かっていない事が多く残っている状況。
先月27日、東京電力柏崎刈羽原発6・7号機に対して原子力規制委員会が正式に新規制基準を満たしているとの合格書が出た。資源エネルギー庁のある幹部は「柏崎刈羽原発は将来の原発政策の軸の一つだ」と話している。しかし地元新潟は福島第一原発事故の検証が終わるまでは再稼働の判断はできないとの考えを示している。
国は今年、長期的なエネルギー政策の方針である「エネルギー基本計画」を見直す。原発を将来どうするのか、今年はその方向性が決まる重要な年になる。