2018年1月29日月曜日

自主避難世帯の8割「福島に戻らず」 新潟県の調査で明らかに

 福島原発事故に伴う福島県外への自主避難者のうち79・0%が、住宅支援終了後も福島県に戻らず、避難を継続しています。
 新潟市で開かれた「三つの検証」の一つ「健康・生活委員会」の生活分科会で、新潟県が報告しました。
 新潟県に自主避難した419世帯では823%が県内にとどまっています。
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自主避難世帯の8割「福島戻らず」 新潟県の調査で明らかに
新潟日報 2018年1月28日
 東京電力福島第1原発事故に伴う福島県外への自主避難者のうち79・0%が、住宅支援終了後も福島県に戻らず、避難を継続していることが27日、新潟県の調査で分かった。同日、新潟市中央区で開かれた米山隆一知事が進める「三つの検証」の一つ「健康・生活委員会」の生活分科会で、新潟県が報告した

 住宅支援が打ち切られ、家賃など経済的な負担が増えても、自主避難者の多くは福島県外での生活を続けている実態が改めて浮き彫りになった。
 避難者の住居移転に関する調査は、県が2017年12月に全国の都道府県に照会してまとめた。
 16年12月末時点で福島県外に自主避難していた2753世帯のうち、17年3月末に住宅支援が打ち切られた後も同じ都道府県にとどまった世帯は76・2%。他県へ移転した世帯2・8%を加えると79・0%に上った。福島県に帰還した世帯は17・1%だった。
 本県に自主避難していた419世帯では82・3%が県内にとどまり、1・9%が他県へ移転した。福島県に戻ったのは15・8%。

 生活分科会は今回の調査を、17年度内に開かれる「総括検証委員会」に提出する。

 避難者調査の取りまとめについて、座長の松井克浩・新潟大教授(社会学)は「(福島事故から)何も回復しておらず、失われたものは膨大であることが改めて確認できた」と指摘。新潟県で原発事故が起きた場合を念頭に「検証作業を進めたい」と述べた。
 生活分科会は今後、原発事故が生活に及ぼす影響について本格的に検討する。