2018年1月3日水曜日

福島第一原発 課題の燃料デブリ取り出しと使用済み核燃料撤去

 国と東電は、廃炉の工程表で燃料デブリの取り出しを始める時期を3年後の2021年とし、2019年度にはデブリを最初に取り出す号機やその方法を確定するとしています。しかし廃炉の先進国の英国は日本のそうした算定は甘く廃炉には数百年が掛かるだろうと予想しています
 燃料デブリを含む原子炉本体の解体廃炉は原子力機構が担当していますが、昨年発表した原子炉の横腹に穴を開けてデブリを取り出すという構想は、肝心の放射能を遮蔽する手段が不明で取り消しになりました。お粗末なことです。

 それとは別に・2・3号機の核燃料プールには、膨大な量の使用済み核燃料が保有され(4号機分は撤去済み)ていて、そのうち3号機分の取出しが今年の夏・秋以降に開始されるということです
 それは廃炉炉作業に伴う当然の撤去で、核燃料プールは、4号機ほどではなくてもやはり破壊された原子炉建屋の最上階に置かれているので、撤去は出来るだけ早く行う必要があります。

 発電容量100万キロワット時規模の原子炉には広島型原発1000発分のウラン燃料が収められるといわれます。過去約30年分の大半の使用済み核燃料が貯蔵されているとしたら、その総量と爆発事故時の被害は想像を絶します。安倍首相が北朝鮮ミサイルの危険性を煽るのであれば、撤去した核燃料を何処のどのような貯蔵所に移すのかが大問題で、政府の脅迫的な発言と整合性のあるものでなくてはなりません。
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福島第一原発 「燃料デブリ取り出し」具体的な計画検討
NHK NEWS WEB 2018年1月2日
東京電力福島第一原子力発電所の事故からことし3月で7年を迎えます。廃炉作業で最大の難関とされる、事故で溶け落ちた核燃料の取り出しに向けては、去年ようやくその可能性が高い塊の撮影に成功し、今月には2号機で調査が行われる予定です。ことしは、核燃料をどのように取り出すのか具体的な計画の検討が進められる1年になります。

溶け落ちた核燃料が構造物と混じり合った「燃料デブリ」の取り出しに向けては去年、1号機から3号機で格納容器内部の調査が行われ、3号機で初めて燃料デブリの可能性が高い塊が確認されました。
今月には改めて2号機で原子炉の真下の調査が行われる予定で、去年の調査でわからなかった燃料デブリが確認できるのか注目されます。

国と東京電力は、廃炉の工程表で燃料デブリの取り出しを始める時期を3年後の2021年とし、2019年度にはデブリを最初に取り出す号機やその方法を確定するとしています。
デブリの取り出しでは、放射性物質の飛散を防いだり、放射線量が高い環境で作業員の被ばくを抑えたりするなど安全対策の徹底を図ることが必要で、ことしは最初に取り出しを行う号機の決定に向けて具体的な計画の検討が進められる1年になります。

一方、1号機から3号機では燃料プールから核燃料を取り出す準備作業が進められていて、ドーム型の金属製のカバーの設置が進む3号機では、ことしの秋ごろ、核燃料の取り出しを始める計画となっています。


「使用済み核燃料」18年夏・取り出しへ 福島第1原発・3号機
福島民友 2018年01月02日
 廃炉作業が進む東京電力福島第1原発では今年、夏頃に3号機で使用済み核燃料の取り出しが始まる予定だ。使用済み燃料プールには使用済みと未使用の計566体の核燃料集合体が残っており、東電は数年かけて取り出す方針だ。

 炉心溶融した1~3号機の原子炉格納容器内には、燃料や金属が溶けた放射性のごみ(デブリ)があるとみられるが、その詳細な位置など全容は不明のまま。東電は1月にも、2号機の格納容器にカメラ付きパイプを挿入して再調査し、デブリの撮影を目指す。

 一方、放射性トリチウムを含む処理水の処分方法や、方針が示されていない福島第2原発の存廃が当面する最大の焦点だ。処理水について東電は「国の小委員会の動向を見ながら判断する」と述べるにとどめている。第2原発については「経営資源を含め、なるべく早く判断する」としており、今年何らかの方向性が示されるのか、県民は注視している。