2018年1月13日土曜日

埼玉県議会の「原発再稼働意見書」に反発 市民ら県議長に抗議文

 埼玉県議会は昨年12月22日国に対し「原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた原子力発電所の再稼働を進めるよう強く要望する」とする意見書賛成多数で可決し、衆議院議長や首相、経産相らに宛てて送りました。

 れに反発した市民らは、埼玉県平和運動センターが作成した抗議文に賛同し、その数は県内外から3130人、141団体10日時点)に達しました。
 抗議文は「原発事故の収束が見通せない中で、このような意見書を可決することは被災地を無視したあまりにも無責任なものである」「『世界で最も厳しい水準の規制』との『原発神話』はすでに崩壊している」などとし、意見書の撤回を求めています

 また10日「原発再稼動推進意見書採択に対する抗議文提出行動」が行われ埼玉県民ばかりでなく福島県民・新潟県民・茨城県民も集会・デモに参加して怒りを訴えまし。デモ行進には150人が参加しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「原発再稼働意見書」に反発 市民ら県議長に抗議文
東京新聞 2018年1月11日
 (埼玉)県議会が十二月定例会で可決した原発の再稼働を求める意見書が、一部の市民から反発を買っている。十日には再稼働に反対する市民や団体が抗議文を議長宛てに提出。さいたま市内でデモ行進し、「撤回しろ」「勝手に決めるな」と声を上げた。(井上峻輔)

 意見書は、昨年十二月二十二日に自民などの賛成多数で可決された。エネルギーの安定供給や経済効率性向上には原発の稼働が欠かせないとして、国に対して「原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた原子力発電所の再稼働を進めるよう強く要望する」としている。

 この意見書に、反原発運動に取り組む市民らが反発。県平和運動センターが作成した抗議文が会員制交流サイト(SNS)などで広まり、県内外から三千百三十人、百四十一団体の賛同が集まった。賛同者には東京電力福島第一原発事故の避難者も含まれているという。
 抗議文では「原発事故の収束が見通せない中で、このような意見書を可決することは被災地を無視したあまりにも無責任なものである」と指摘。「『世界で最も厳しい水準の規制』との『原発神話』はすでに崩壊している」などとして、意見書の撤回を求めている

 呼び掛け人で同センター副議長金子彰さんは県庁で会見し「県民からすると寝耳に水の話。電力消費地である埼玉県が、原発の立地県にリスクを全部押しつけて意見書を可決したことは許されない」と語った。
 原発の立地県からも怒りの声が上がる。福島県郡山市議の蛇石郁子さんも十日、意見書の撤回を求める別の文書を提出。会見に同席し「再稼働はあり得ないこと。賛同者は『福島のことはひとごとなんですね』とあきれている」と訴えた。

 議会事務局によると、意見書は既に衆議院議長や首相、経産相らに宛てて送られた。自民党県議団は、この時期に意見書を出した理由について「団体からの要望を受け、県議団としても出すべきだと判断した」としている。


埼玉県議会・自民党は恥を知れ!〜「原発再稼働意見書」撤回もとめ抗議デモ
レイバーネット 2018年1月12日
 1月10日(水) 埼玉県議会による「原発再稼動推進意見書採択に対する抗議文提出行動」には、埼玉県民ばかりでなく福島県民・新潟県民・茨城県民も集会・デモ・記者会見に参加して、怒りを訴えた。

 埼玉県庁県政記者クラブで行われた記者会見で、福島県郡山市議会議員の蛇石郁子さんは「採択に賛成した埼玉県議会議員はひとりひとり福島県に来た上で、なぜ採択してしまったかを福島県民が聴く場を設けてほしい」。福島県大熊町議会議員の木幡ますみさんは「大熊町の地元では『関東はおれらの所で作った電気を使ったのにこの意見書は酷い。最終処分場は埼玉県で引き取れ』と怒っている」と訴えた。

 また、武本和幸さん(原発反対刈羽村を守る会)は「東京電力は原発を動かすためには何でもする。嘘をつく。しかし、この3年間、新潟では知事選挙も参議院議員選挙も柏崎刈羽原発再稼動反対派が勝った。そして知事は福島の原発事故の検証に取り組んでいる。そういった新潟県民の総意に対する埼玉県議会のリアクションは許せない」と語った。相沢一正さん(元東海村議)は「埼玉県議会は県民の生活の安全を考えていない」と訴えた。賛同署名には、他県の自民党議員の署名もあった。(ジョニーH)

*以下は、参加された埼玉県民の藤井千賀子さんの当日の様子の報告。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
賛同署名があっというまに3130筆集まる
1.10 埼玉県議会原発再稼働推進意見書採択に抗議文提出行動

 青空広がる良い日和に人々は脱原発の幟を持って集合。ひとつひとつがキラキラとはためく。脱原発運動の名門と言っても過言ではない月曜定例会。被曝実現ネットも参加。

福島から蛇石郡山市議、木幡大熊町議、柏崎市民、東海村市民、脱原発首長会議から田島公子元越生町長。社民党から池田まさよさん。脱原発講談師、神田香織さんからはメッセージが寄せられた。ジョニーHさんは、この意見書賛成議員の名前を歌詞にリズムに乗せて歌う。通行人も足を止めてリズムをきざむ。そうそうたるメンバーが浦和西口に参加した。

 この日までの賛同署名3130名・団体147団体。前日午後はまだ1300くらいだった。この集計をしてくれた白田さんに感謝。多分昨夜はのまず食わず寝ず、だったはず。署名リストは、最小の文字で8ページに及んでいる。この中には山本太郎参議院議員、福島みずほ参議院議員の名前もある。ダメ元で依頼、ソッコーで快諾してくださった。さいたま地元の立憲民主党枝野幸男議員、脱原発総理大臣だった菅直人議員にも依頼したが、ついに返信はなかったのでした……。

 デモ出発のころには150名ほどになっている。思いがけない長い列。多くの脱原発市民の幟がはためく誇らしい光景でもありました。自民党埼玉県連の前にくるとタイミングよく赤信号。「自民党は恥を知れ!」の声は大きくなる。そのうち思い思いに自民党ビルに向かって声をあげる。埼玉県議会のこの暴挙は年末にこっそり議決され、報道は東京新聞のみ。多くの県民の知らないところで議決されている。自民党、無所属県民会議、そして、無所属ひとり。この議員たち一人一人に今回の賛成の意図の説明を求めるべきだと思う。

 抗議文提出には小林哲也県議会議長は、ご多分に漏れず来ない。自民党田村琢実議員、須賀敬史議員は居るにもかかわらず出てこない。 厳しい意見が次々のべられる。特に福島から来た人々の痛切な痛みの前にどんな顔ができるのか、県議会。

 記者会見中は別室にて、民進党、共産党の議員の説明および質問。埼玉県議会の自民党は、元民進党の知事への圧力もかねていくつもの意見書を採択している。中枢は自民党だ、と見せつけるように。まさに酷いものです。さらに、埼玉は全国で三番目に一人区が多い。この選挙制度の欠点が大きく作用している。難問多し。しかし今日で、終わるわけにいかない。賛成議員の地元からしっかり声をあげる。顔がくっつくくらい、近いところまで行って。よろしくね。鈴木正人、神谷大輔、醍醐清、広めてあげるから。待ってなさい。 (藤井千賀子)