2018年1月17日水曜日

17- 原発ゼロ法案成立へ活発に 原自連と共産党が懇談

「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟(原自連」は15日、原自連が発表した「全ての原子力発電の廃止及び自然エネルギーへの全面転換の促進に関する基本法案」(骨子案)をめぐって、国会内で日本共産党国会議員団と懇談しました。

 小池晃書記局長は、原自連の骨子案について、「全面的に、100%、完全に賛成で、まさにわが意を得たり。これしか解決の道はない」と評価し、「オープンな場で各党が議論することが大事だ」として、各党の代表を招いた公開討論会などを提案しました
 原自連の河合弘之弁護士は(公開討論会は)議論を巻き起こすにはいい。考えよう」と応じました。

 原自連基本法案の基本方針は記事の末尾に載っています。
 西日本新聞の社説「原発ゼロ法案 国民的議論深める契機に」も併せて紹介します。
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原発ゼロ法案成立へ活発に 原自連と共産党が懇談
小池書記局長「完全に賛成」
しんぶん赤旗 2018年1月16日
 小泉純一郎、細川護熙両元首相が顧問を務める「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(原自連、会長=吉原毅・城南信用金庫顧問)は15日、原自連が発表した「全ての原子力発電の廃止及び自然エネルギーへの全面転換の促進に関する基本法案」(骨子案)をめぐって、国会内で日本共産党国会議員団と懇談しました。日本共産党の小池晃書記局長、笠井亮政策委員長らが応対し、原自連の吉原会長、河合弘之幹事長(弁護士)らと基本法案の成立に向けて意見を交換しました。

 小池氏は、原自連の骨子案について、「全面的に、100%、完全に賛成で、まさにわが意を得たり。これしか解決の道はない。みなさん方が、こういうボールを政治の場に投げていただいたことは非常に大きな意味があると思う」と発言。笠井氏は「国会で正面から、この問題を取り上げていきたい」と述べました。

 吉原氏は「原発は即時止めるべきだ。われわれの案に賛成してもらえるなら、この案が非現実的だという意見を国会の場で論破してもらいたい」と発言。河合氏は「共産党の公約を確認したら、(われわれと)共産党の案が完全に一致した」と述べつつ、法案の成立に向けて与野党に幅広く協力を求める考えを示しました。

 これに対し、小池氏は「オープンな場で各党が議論することが大事だ」として、各党の代表を招いた公開討論会などを提案。河合氏が「(公開討論会は)議論を巻き起こすにはいい。考えよう」と応じるなど、活発な意見交換が行われました。

 懇談には、原自連から吉原氏、河合氏のほかに、楠達史氏(城南信用金庫・城南総合研究所特別顧問)、三上元氏(前湖西市長)、海渡雄一氏(弁護士)、木村結氏(東電株主代表訴訟事務局長)、近江屋信広氏(元衆院議員)が出席。日本共産党からは小池氏、笠井氏のほかに藤野保史衆院議員、吉良よし子、辰巳孝太郎、岩渕友の各参院議員が同席しました。

原発ゼロ・自然エネ基本法案の主要事項
 原発ゼロ・自然エネルギー基本法案の主要事項は以下の通り。
 基本方針
 一 運転されている原子力発電所は直ちに停止する。
 二 運転を停止している原子力発電所は、今後一切稼働させない。
 三 運転を停止した原子力発電所の具体的な廃炉計画を策定する。
 四 原子力発電所の新増設は認めない。
 五 使用済み核燃料の中間貯蔵及び最終処分に関し、確実かつ安全な抜本的計画を国の責任において策定し、官民あげて実施する。
 六 核燃料サイクル事業から撤退し、再処理工場等の施設は廃止する。


原発ゼロ法案 国民的議論深める契機に
西日本新聞 2018年1月16日
 小泉純一郎、細川護熙両元首相が顧問を務める民間団体「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」が、「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」の骨子案を発表した。

 東京電力福島第1原発事故から間もなく7年になる。福島では今なお県内外に5万人以上が避難しており、復興もまだ道半ばだ。
 火山列島に位置し地震も頻発する日本では決して「人ごと」ではない。原発への依存度をできる限り下げていく「脱原発」は一つの大きな流れだろう。にもかかわらず原発を巡る国民的な議論は必ずしも活発だとは言い難い。その意味で今回の骨子案を、国民的議論を深めるきっかけにしたい

 骨子案には、国内全原発の即時停止▽再稼働や新増設の禁止▽核燃料サイクル事業からの撤退▽原発輸出の中止▽自然エネルギーの電力比率目標を2030年までに50%以上、50年までに100%-などが盛り込まれた。
 現状を勘案すれば大胆な考え方や数値目標だが、それぐらい思い切った政策判断をしなければ「脱原発」へシフトするのは難しい-という危機感の表れでもあろう。

 政府は14年閣議決定のエネルギー基本計画で可能な限り原発依存度を低減するとした。同時に、原子力を「重要なベースロード電源」と明記した。また、原子力規制委員会の新規制基準に適合した原発は地元合意を得て再稼働させる方針で、既に九州電力川内1、2号機などが再稼働している。
 経済産業省が検討中のエネルギー基本計画の見直しでは、原発新増設や老朽原発の運転延長もテーマになるという。「脱原発」どころか「原発回帰」の様相だ。

 全原発の即時停止について共同通信社の最新世論調査では賛成が49・0%、反対は42・6%と拮抗(きっこう)した。小泉氏は「原発ゼロに全力で取り組むなら、どの政党にも協力する」と語り、国民運動として取り組む考えを示す。立憲民主党も「原発ゼロ基本法案」の骨子をまとめ、国会提出の予定だ。22日召集の通常国会で、与野党はぜひ徹底的に論議してほしい。