2018年1月26日金曜日

26- 十和田火山噴火時 東通原発や六ヶ所村に火山灰が10センチ以上

 十和田火山防災協議会は24日、十和田湖の火山噴火を想定したハザードマップを公表しました。
 それによると、大規模噴火時は火砕流が火口から30キロ地点まで到達し、30キロ圏外にある東北電力東通原発や六ヶ所村の核燃料再処理工場などの原子力施設には、風向きによって火山灰や軽石などの降下物が10センチ以上積もると推定されるということです。
 火山灰はいわゆる可燃物の焼却灰とは違いガラス粉の集まりに近いので、非常用発電機を詰まらせたり、車のワイパーが使えずまたエンジントラブルを起こすなどして、所員が発電所にアクセスできなくする危険があります。
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<十和田火山>
火砕流30キロに 大規模噴火時原発に降灰も ハザードマップ公表
河北新報 2018年1月25日
 青森県や秋田県などでつくる十和田火山防災協議会は24日、両県にまたがる十和田湖の火山噴火を想定したハザードマップを公表した。大規模噴火時は火砕流が火口から30キロ地点まで到達。青森県の下北半島に集中し、いずれも30キロ圏外にある原発などの原子力施設には、火山灰が積もる恐れがあるとした。

 十和田火山は過去1万1000年間で少なくとも8回の爆発的噴火を確認。直近は915年で、国内の歴史上最大とみられている。火砕流は約20キロ先まで到達し、その後の雨で大規模な泥流が発生、日本海まで達したと考えられている。
 被害想定は、過去の事例から十和田湖の「中湖(なかのうみ)」を中心とする半径3.4キロを噴火口とし、大中小の三つの規模について被害範囲をシミュレーションした。
 数十億立方メートルの火山灰や溶岩などの噴出を想定した大規模噴火の際は、火口範囲から30キロ圏内にある青森市や弘前市、十和田市など青森県の12市町村と、鹿角市、大館市、秋田県小坂町、八幡平市、二戸市の3県計17市町村に影響が及ぶ。
 大規模噴火後、雨や積もった雪が熱で溶けて発生する火山泥流により、青森側の岩木川流域と奥入瀬川流域、秋田側の米代川流域が氾濫(はんらん)するとした。

 日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)や東北電力東通原発(同東通村)などがある下北半島に火砕流は達しないが、風向きによって火山灰や軽石などの降下物が10センチ以上積もると推定した。
 協議会は3県の計27市町村を新たに構成委員に加え、噴火警戒レベルの検討や避難計画策定などを行う。
 今回の被害想定に携わった秋田大教育文化学部の林信太郎教授(火山地質学)は「日本の他の火山の災害想定よりはるかに大きい。多くの住民を避難させる防災計画を考えなければならない」と話した。