2018年1月11日木曜日

“合格”の研究炉に申請出し直し求める異例の対応

 プルトニウムは核兵器の材料にもなるため、日本は、「使用目的が不明の余剰プルトニウムを持たないことを原則としていますが、実際にはフランス等に預かってもらっている分を含めると47トンを保有しており、原子力機構は全体で46トンを保有しています。

 これらの保有の目的が不明確であれば核兵器の材料として保有しているという疑念を免れません。国の原子力委員会の担当者が、原子力機構研究炉「STACY(ステイシー)」に対して「研究炉で貯蔵するプルトニウムを含む燃料が、利用目的がないと誤解されるおそれがあり、余剰プルトニウムを持たないという国の原則に照らし適当ではない」と指摘し、プルトニウム利用方針の公表を求めその妥当性を確認することにしています。

 原子力機構の回答が注目されますが、他の保有分についても基本的には同様の問題があるわけで、国としてもキチンと対応する必要があります。
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“合格”の研究炉に申請出し直し求める異例の対応
NHK NEWS WEB 2018年1月10日
原子力規制委員会が事実上、合格とした茨城県にある研究炉について、国の原子力委員会から「利用目的のないプルトニウムを保管していると誤解されるおそれがある」と指摘され、規制委員会は、事業者に申請の出し直しを求める異例の対応を決めました。

茨城県東海村にある日本原子力研究開発機構の研究炉「STACY(ステイシー)」では、当初、使う予定だったプルトニウムを混ぜた燃料を施設内に貯蔵していて、原子力規制委員会は去年11月、研究炉の安全対策などは妥当だとして事実上、合格としていました。

しかし10日開かれた規制委員会の定例会で、プルトニウムの管理について意見を述べる国の原子力委員会の担当者は「研究炉で貯蔵するプルトニウムを含む燃料が、利用目的がないと誤解されるおそれがあり、余剰プルトニウムを持たないという国の原則に照らし適当ではない」と述べました。

これを受けて規制委員会は原子力機構に対し、利用目的を明確にした申請の出し直しを求める異例の対応を決めました。
原子力機構は「プルトニウムは今後、別の施設で利用する予定で速やかに対応したい」としています。
プルトニウムは核兵器の材料にもなるため、日本は使う目的のないプルトニウムを持たないことを原則としていて、原子力機構は全体で4.6トンを保有しています。
原子力委員会は、今後、原子力機構に対して、プルトニウム利用方針の公表を求め、妥当性を確認することにしています。