国の除染事業を請け負った清水建設の福島県の下請け企業が、2016年1年間で105億円を売り上げて56億円の利益を上げ、代表ら役員が43億円の報酬を受けていたり、除染作業員およそ100人が野球の応援に「危険手当付きの勤務」として出かけたりしていた、ことが報じられました。
除染作業は通常5次、6次下請けまであって、末端の作業員に渡るお金は東電の支払い額の数分の1ともいわれています。それに比べると上記の下請け企業は非常に潤沢な収入なので、かなり上位(二次前後?)に位置していると思われますが、信じられないほど派手で驚くばかりです。
23兆円とも言われる除染費用はその一部を政府系機関が立て替えますが、最終的には東電が返却するもので、東電は電気料金に上乗せして回収するので、結局はすべて国民が負担します。
そういう意味でも除染作業は公明正大に行ってほしいものです。
原記事には解説の図なども載っています。URLからアクセスしてください。
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役員報酬43億円 高級車の派手生活 原発除染費用の不透明事態
国の除染費用を大幅に減らせる可能性も
ホウドウキョク 2018年1月23日
3 Lines Summary(3行 要約)
・国の除染事業を請け負った清水建設の下請け企業の除染作業員およそ100人が「危険手当」付きで野球応援
・この企業は105億円を売り上げ、役員に43億円もの報酬 FNNの取材で明らかに
・国が民間企業同士の取引内容を精査できれば、除染費用を大幅に減らせる可能性がある
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2017年10月、近畿地方で開かれた野球大会の様子をFNNが撮影していた。
除染作業員およそ100人が野球チームの応援
そろいのジャージーでの、一糸乱れぬ応援。
国の除染事業を請け負った清水建設の福島県にある下請け企業の除染作業員およそ100人が、平日を含む数日間、会社の野球チームの応援にあたっていた。
野球好きで知られる下請け企業の代表のもと、貸し切りバスで現地入りし、自前の応援歌を歌い、巨大な旗を振っていた。
2016年、部下が応援に行ったという下請け企業の元除染作業員は、「『野球の応援なんか嫌だ』って言ってたのですが、無理やり連れていかれる感じで、なんで出勤扱いになっているのかなと。危険手当もいただいて」と、応援は勤務として行われたと証言する。
応援は「勤務」、「危険手当もいただいた」と証言
企業のレクリエーション活動自体に問題はないが、国の除染費用が野球の応援に使われていたのか。
下請け企業の代表は「そんな事実はないと思う。(去年・おととしは?) ないです。(一切ない?) ない。断言します」と話した。
清水建設とこの下請け企業をめぐっては、除染事業を統括していた清水建設の執行役員が、自分の実家の草むしりと雪かきを下請け企業の除染作業員に無償でさせていたことがFNNの取材で発覚し、12月に辞職している。
これら不透明な除染作業の実態に加え、今回新たに下請け企業の役員が巨額の報酬を得ていたことが、関係者の話でわかった。
43億円もの役員報酬
この企業は、清水建設が国や自治体から受注した除染と関連事業を請け負うことで、2016年の1年間で105億円を売り上げたが、このうち、利益が56億円にのぼったうえ、代表ら役員が43億円もの役員報酬を得ていた。
福島県にある下請け企業の代表は、高級車を次々と乗り換えるなど、地元でも派手な生活ぶりで知られていた。
国と自治体の除染費用は、東京電力に請求することになっていて、税金や電気料金が当てられる可能性がある。
高級車を次々と乗り換える派手な生活
しかし、元請けの清水建設と下請け企業は民間同士で、取引内容を公表する必要はない。
国がこれを精査できる仕組みがあれば、国の除染費用を大幅に減らせる可能性がある。
巨額の役員報酬を得ていたことについて、下請け企業の代表は取材に応じていない。
国の除染費用を大幅に減らせる可能性
清水建設は「取引先の業績については把握していません」とコメントし、野球の応援については、「下請け企業が行っているもので、関知していません」としている。
また、発注元の環境省は、「民間企業の内容については関知していません」とコメントし、野球の応援については、「清水建設JVからは、日当や危険手当相当分は支払われていないと報告を受けています」とコメントしている。