河北新報が電力の自由化を見すえて、自由化されたらどこから電力を購入したいかのアンケートを行ったところ、59%の人が原発に依存していない電力会社からの電力購入を望んでいることが分かりました(小数点以下は四捨五入。以下同)。
43%の人は、脱原発によって負担が増加しても構わないという考えでした。
これは本来は脱原発の方が負担は低くなるのですが、アンケートの時点では、原発を停止させると電気料金は高くなるという、従来言われてきた考え方がベースになっています。
また東北電力の東通原発、女川原発の再稼動については、「反対」「どちらかといえば反対」が64%で、賛成意見は22%でした。
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福島県民、電気料金値上げでも脱原発4割
河北新報 2014年10月11日
福島県民の4割超が、脱原発に伴う電気料引き上げを容認する考えであることが河北新報社のアンケートで分かった。6割近くが原発に依存していない電力会社からの電力購入を望んでおり、福島第1原発事故を契機とした厳しい市民感情を裏付けた。
家庭用を含めた電力小売りについて、国は2016年に自由化する方針を掲げる。経済的負担より脱原発を優先させる回答が一定数あったことは、原発再稼働を目指す東北電力からの顧客離れをうかがわせる。
脱原発に伴う負担増は全体の42.5%が認めた。許容できる値上げ幅は「10%まで」が最多の21.0%。以下、「5%まで」16.5%、「20%以上でも」4.5%、「15%まで」0.5%と続いた。
電気の購入先については「原発に依存しない電力会社」が58.5%と過半を占め、「依存する会社」との回答は2.5%にとどまった。「特に気にしない」は39.0%だった。
東北電力は東通(青森県東通村)、女川(宮城県女川町、石巻市)両原発に計4基を所有している。同社が目指す再稼働に関しては「反対」「どちらかといえば反対」が64.0%となり、賛成意見は21.5%だった。
再稼働に理解を示した人の中でも、原発に由来しない電力の購入を望む声が2割近くあった。再稼働反対派では8割に上った。
調査は9月末から10月初めに福島、いわき両市で成人の男女計200人から聞き取った。
福島県内では9日に知事選が告示され、26日に投開票される。立候補した6人は、原発事故からの復興の在り方をめぐり論戦を繰り広げている。