2014年10月9日木曜日

経産相 原発事業の税優遇に言及

 小渕経産相は日の参院予算委で、「原発は平均コストは安くても・・・事故など想定外の事態が起きても、原子力事業者が赤字にならないよう、原発の運転コストを補う税制上の優遇制度を検討していることを明らかにしました。
 
 経産省は既に、電気料金を自由化した際、原発の高発電コスト分を火力などの電気料金に均して上乗せする原発電気料金保障制度の検討を進めていますが、それでも原発事故時の保障までは賄えないので、それに見合った税優遇措置を考えるということなのでしょうか。まさに際限なき原発優遇制度です。
※ 10月3日 原発はハイリスク・高コスト まずそれを認めるのが全てのスタート 
 国の財政が大変だから消費税をアップしたいとする一方で、原発には際限なく税を投じるという矛盾を、政府は国民に説明できるのでしょうか。
 そもそも「原発は平均コストが安い」というのも意味不明です。使用済み核燃料の無害化まで10万年を要するという原発のコストが、尋常で済むはずがありません。
 
 危険で且つ高コストの原発になぜこんなにもこだわるのか不可解です。原発擁護の論理はもう明らかに破綻していますが、その取り繕いに人当たりのいい女性大臣を当てるという、安倍首相の見え透いた戦略もまたお笑いというべきです。
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経産相 原発事業の税優遇検討 事故など運転コスト穴埋め
東京新聞 2014年10月8日 夕刊
 小渕優子経済産業相は八日午前の参院予算委員会で、「原発は平均コストは安くても、想定外の廃炉を迫られた場合は財政的な影響で、事業実施が困難になるケースも考えられる」と指摘。事故など想定外の事態が起きても、原子力事業者が赤字にならないよう、原発の運転コストを補う税制上の優遇制度を検討していることを明らかにした。
 小渕氏は「競争が進展した中での原子力事業の課題や対応策について検討を行っている。(優遇措置の導入は)可能性としてはあり得る」と述べた。
 安倍政権はこれまで、原発コストは安いとして、世論の強い反対にもかかわらず、原子力規制委員会の規制基準を満たした原発を再稼働させる方針を示してきた。小渕氏の発言は、事故を想定すれば、原発コストが高くなることを認めたといえる。
 家庭用の電気料金は現状では、国の認可制度の下、電力会社が原発などの発電費用を全て回収できるように設定できる総括原価方式で決まっている。だが、二〇一六年四月に始まる電力の完全自由化策の一環として、総括原価方式は一八~二〇年をめどに廃止され、料金は電力会社が自由に決められるようになり、競争の激化で電気料金の低下が予想される。
 
 政府はこうした事情を考慮。想定外の廃炉などが発生した場合、経営が立ち行かなくなることも想定し、税制面を含めた優遇制度の検討を進めている。