2014年10月8日水曜日

大間 原告意見陳述認めず|飯舘村 国の除染不備|むつ中間貯蔵所 操業延期|福島原発に雨水侵入

 電源開発大間原発建設差し止め訴訟の第14回口頭弁論を前に、函館地裁が「原告の意見陳述は当面の間、基本的には認めないなどと伝えていたことが分かりました。「大間原発訴訟の会」は8日、同地裁に抗議文を提出します。 
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 家屋除染が今春始まった福島県飯舘村で、居久根(いぐね・屋敷林)で、国が土砂崩れの恐れを理由に汚染土のはぎ取りが行われておらず、放射線量が家屋周辺よりも数倍高いことが分かりました。住民らは「居久根は住環境と一体。家屋とともに除染が必要」と指摘しています。
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 むつ中間貯蔵施設は来年3月操業開始の予定でしたが、日本原燃が10月完工の延期を検討していることを受け、久保社長は操業が延期になる可能性を示唆しました
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 東京電力は日、福島第一原発1号機と3号機で、配管からの水漏れ検知器が相次いで作動しました近くに配管はなく台風18号の雨水が建屋内に流れ込んだためと見られます
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原告の意見陳述、当面認めず 大間・市民訴訟で函館地裁
北海道新聞 2014年10月7日
【函館】電源開発大間原発(青森県大間町)の建設差し止めなどを求め、函館の市民団体「大間原発訴訟の会」(竹田とし子代表)が国と電源開発を相手に起こした訴訟の第14回口頭弁論(17日)を前に、函館地裁が同会に対し「原告の意見陳述は当面の間、基本的には認めない」などと伝えていたことが、6日分かった。同会は8日、同地裁に抗議文を提出する。 
 
 同会によると、同地裁から、原告らによる意見陳述を基本的に認めないことや、原告の要請により設置していた特設傍聴席を今後撤去することなどが8月末に書面で伝えられた。 
 
 意見陳述の機会は裁判長の裁量で設定される。7月の第13回口頭弁論では、鈴木尚久裁判長が原告側との事前協議の場で「意見陳述は裁判官の交代など裁判の節目に行うもので、今回はそれに当たらない」と説明。法廷で原告代理人が原告による意見陳述を行うよう求めたが、鈴木裁判長が認めず閉廷した。
 
 
飯舘の居久根除染 国の不備指摘
河北新報 2014年10月7日 
 環境省の家屋除染が今春始まった福島県飯舘村で、家の周りと比べ、居久根(いぐね・屋敷林)の放射線量が高いままの実情が住民と研究者の調査で分かった。土砂崩れの恐れを理由に、居久根では汚染土のはぎ取りが行われていない。住民らは「居久根は住環境と一体。家屋とともに除染が必要」と指摘する。
 
 調査は、同村比曽で農地の自主測定活動をしている農業菅野義人さん(62)、防風林を研究してきた辻修帯広畜産大教授(農業土木)が協力して、居久根の汚染に着目し昨年夏から続けている。菅野さんはことし7月末、比曽で一番早く除染作業が終わった農家の協力を得て、検証測定をした。
 その結果、1年前の空間放射線量(高さ1メートル)が3~4マイクロシーベルトだった家屋の周りが、除染後に1.1~1.4マイクロシーベルトに低減していたのに対し、家屋の裏にある居久根の端では5.9マイクロシーベルト、約12メートル奥で7.4マイクロシーベルトと高かった。
 環境省の除染は、家屋の周りでは、放射性物質が密集する「深さ5センチ」を基準に表土をはぎ取る。居久根では奥行き20メートルまでの範囲で、落ち葉など林床の堆積物を除去する方法を採っている。
 同省福島環境再生事務所の担当者は「居久根は斜面にあることが多く、(重機を使い)土をはぎ取れば、土砂崩れを起こしやすいため」と話す。
 辻教授は、居久根の放射線量が高い原因を調べるため、除染未実施の菅野さん宅で林床の土を採取、比較分析をした。
 家屋の前の土は、深さ1センチでの放射性物質の濃度が7万ベクレル(1キロ当たり)あり、2~5センチで1850ベクレルに減った。13メートル離れた居久根の土は、深さ1センチで24万8000ベクレル、2~5センチで約8万ベクレル、6~10センチでも約1万4000ベクレルあった。
 辻教授は「林床で落ち葉が腐って分解すると、葉に付いた放射性物質が離れる。土ならば粘土分に付着し固定されるが、腐葉土層では雨水で下に動く。原発事故から3年半。放射性物質が林床に染み込んだ今、堆積物除去では不十分」と話す。
 菅野さんは「居久根は村の生活圏。放射線量が高いままでは住民が不安がる。家屋と一体の除染を」と対応を訴える。
 
 
むつ中間貯蔵施設 来春の操業見直しを示唆
 河北新報 2014年10月7日 
 リサイクル燃料貯蔵(RFS)の久保誠社長は6日、2015年3月としている使用済み核燃料中間貯蔵施設の操業開始時期について、「日本原燃の動向を踏まえて判断する」と述べ、見直しの可能性を示唆した。
 むつ市役所で報道各社の取材に答えた。青森県六ケ所村で使用済み核燃料再処理工場を運営する日本原燃が10月完工の延期を検討していることを受け、「現段階で(見直しの)判断をする時期ではないが、しかるべき時期に判断したい」と語った。
 RFSはことし1月、原子力規制委員会に操業開始に必要な適合性審査(安全審査)を申請し、審査が進められている。久保社長は、使用済み核燃料の再処理事業が中間貯蔵事業の前提となる考えを示していた。
 
 
福島第一に雨水流入か 台風で1、3号機
東京新聞 2014年10月7日
 東京電力は六日、福島第一原発1号機と3号機で、配管からの水漏れ検知器が相次いで作動したと発表した。原子炉を冷やす水などの配管は近くになく、東電は台風18号の雨水が建屋内に流れ込んだとみている。
 検知器は1号機タービン建屋南側ダクト付近と3号機原子炉建屋北東のいずれも一階にあった。1号機ではダクトの周りから流れ込んだ雨水を検知していた。3号機では、検知器とは逆の西側から水が入っているのをカメラ映像で確認。現場の放射線量が高く、詳しい原因は分かっていない。
 1、3号機とも、流れ込んだ雨水の量や放射性物質の濃度などは不明。排水溝を通じて建屋地下にたまる構造になっており、外部には流出しないという。建屋内の汚染水が増えることになるが、東電は、雨水の流入を当初から想定して汚染水の管理をしていると説明している。