22日、福島第1原発1号機タービン建屋海側の地下を通る水路にたまっている雨水の放射性セシウム濃度が16万1千ベクレルに急上昇しました。東電は今月通過した二つの台風の影響とみており、付近に汚染源がないか調べることにしています。
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政府は24日、原発事故が起きた場合の損害賠償金の一部を各国の拠出で補う「原子力損害補完的補償条約」の締結承認案と関連法案を閣議決定しました。今国会中の承認を目指します。条約は事故発生時、過失の有無を問わず、原子力事業者が賠償責任を集中して負うとする一方、原発メーカーは免責されます。
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環境省は24日、放射性物質指定廃棄物の最終処分場建設に向け、栗原市など宮城県内の候補地でボーリング調査の準備作業を始めました。ただ候補地の一つ加美町では、住民らの強い抗議を受け、調査開始をいったん見合わせると明らかにしました。
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除染廃棄物を保管する政府の中間貯蔵施設について、環境省の小里泰弘副大臣は23日、建設予定地の用地買い取りに向け地権者と個別交渉に入ることを明らかにしました。大熊、双葉両町は同日、地権者への丁寧な説明などを同省に申し入れました。
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水路セシウム濃度126倍 福島第1原発、台風の影響か
東京新聞 2014年10月24日
東京電力は23日、福島第1原発1号機タービン建屋海側の地下を通る水路にたまっている雨水の放射性物質濃度が急上昇したと発表した。9月26日時点でセシウム濃度は1リットル当たり1270ベクレルだったが、22日には約126倍の16万1千ベクレルに上昇。東電は今月通過した二つの台風の影響とみており、付近に汚染源がないか調べる。
東電によると、22日のセシウム濃度の内訳はセシウム134が4万1千ベクレル、セシウム137が12万ベクレル。水路はもともと建屋周辺に降った雨水を原発港湾内に排水する設備で、現在は出口部分が埋め立てられている。(共同)
原発メーカー免責、輸出を後押し 補償条約を閣議決定
東京新聞 2014年10月24日
政府は24日、原発事故が起きた場合の損害賠償金の一部を各国の拠出で補う「原子力損害補完的補償条約」の締結承認案と関連法案を閣議決定した。今国会中の承認を目指す。
条約は事故発生時、過失の有無を問わず、原子力事業者が賠償責任を集中して負うとする。一方、原発メーカーは免責されるため、日本の原発輸出を後押しする環境整備との批判もある。
事故発生国には一定額(約470億円)以上の賠償を義務付け、これを超えた場合は各国の拠出金で賠償の一部を補完する国際的な賠償枠組みを構築する狙いがある。
日本の拠出金は現状では約40億円。 (共同)
ボーリング調査一部見送り 処分場候補地、住民抗議で
東京新聞 2014年10月24日
環境省は24日、東京電力福島第1原発事故で発生した放射性物質を含む指定廃棄物の最終処分場建設に向け、栗原市など宮城県内の候補地でボーリング調査の準備作業を始めた。ただ候補地の一つ加美町では、住民らの強い抗議を受け、調査開始をいったん見合わせると明らかにした。同省は栗原市での午後の作業を見送る考えを市に伝えた。
加美町の田代岳付近では24日朝、住民約30人が「調査断固反対」と書いた横断幕やのぼりを掲げ、道路をふさぐ形で座り込み、拡声器で「機材の持ち込みは絶対許さない」と抗議した。
政府、地権者と交渉へ 中間貯蔵施設 大熊、双葉町が丁寧な説明申し入れ
福島民報 2014年10月24日
東京電力福島第一原発事故に伴う除染廃棄物を保管する政府の中間貯蔵施設について、環境省の小里泰弘副大臣は23日、建設予定地の用地買い取りに向け地権者と個別交渉に入ることを明らかにした。
予定地がある大熊町の渡辺利綱町長と双葉町の伊沢史朗町長と郡山市で会談後、記者団に語った。小里氏は「地権者に個別で説明をする。説明と交渉に境目はない」とした。来年1月の廃棄物の搬入開始については「相当厳しいとは痛感しているが、なんとか頑張りたい」と話した。
大熊、双葉両町は同日、地権者への丁寧な説明などを同省に申し入れた。
申し入れでは、補償内容に関して十分な理解が進んでいない点や説明会の参加者数が全体の半数に達していない点を指摘。その上で地権者への分かりやすい説明や欠席者に対しても早急に対応するよう求めている。
渡辺、伊沢両町長が同日、郡山市の同省福島環境再生事務所県中・県南支所を訪れ、小里氏に申し入れ書を手渡した。
同省は9月29日から今月12日まで、地権者を対象とした説明会を計12回開催。延べ約900人が参加した。