郡山市の「福島 子どもの未来を考える会」が夏休みにベラルーシに派遣した中高生16人が、同市のビッグアイで帰国報告会を行いました。報告会には在日ベラルーシ大使も出席し、祝辞を述べたということです。
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ベラルーシはチェルノブイリ発電所の直ぐ北(首都ミンスクは北西350km 添付地図参照)にあり、事故後ソヴィエト連邦が解体されたときに、ウクライナとともに独立しました。
1986年4月のチェルノブイリ原発事故後7~8年を経て、1993年以降ベラルーシとウクライナは「出生」の急激な減少と「死亡」の急増で、激しい人口の自然減に見舞われました。ベラルーシやウクライナの現状は、将来の東日本の姿を占うものとして注目され、日本からの視察団が度々訪れています。
チェルノブイリ事故との関連では、チェルノブイリから1100キロ離れたドイツのザクセン州で実施された調査で、同地域に生息するイノシシの3分の1以上が放射能に汚染されていることが分かりました。1年間で、752頭のイノシシのうち297頭が処分され、中には基準値の10倍を超えるイノシシも確認されたということです。
事故後28年経過してもこの状態です。あとは放射能の自然減衰を待つしかないので、今後50年間はこの問題が続くと見られています。
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ベラルーシ派遣生徒が成果発表 郡山で帰国報告会
福島民報 2014年10月6日
郡山市の「福島子どもの未来を考える会」が夏休みにベラルーシに派遣した中高生の帰国報告会は5日、郡山市のビッグアイで開かれた。
関係者約60人が出席した。長尾トモ子理事長があいさつし、在日ベラルーシ大使館のセルゲイ・ラフマノフ大使が祝辞を述べた。橋本妙子団長はじめ引率者4人の報告に続き、参加した県内の中学、高校生16人が研修成果を発表した。
派遣期間は7月31日から8月10日までで、文化交流体験、観光、視察などを通し、見聞を広めた。生徒たちは、1986年に起きたチェルノブイリ原発事故後の現状を学び、本県復興の担い手としての決意を新たにしていた。
ドイツの森で放射能汚染されたイノシシが見つかる
ロシアの声 2014年9月28日
ドイツのザクセン州で実施された調査の結果、同地域に生息するイノシシの3分の1以上が放射能汚染されていることが分かった。
ドイツの森にはまだ野生のイノシシが生息しており、イノシシ肉は珍味とされているため、狩猟されている。一方で、イノシシは食用には適さないレベルにまで汚染されていることが分かった。
専門家たちは、イノシシの放射能汚染について、今から28年前に発生したチェルノブイリ原発事故の負の遺産であると考えている。
ザクセン州はチェルノブイリから1126キロ離れた場所に位置しているが、風や雨で西ヨーロッパ全体に放射性物質が広がり、フランスでも土壌汚染が確認された。
イノシシは、土壌から有害物質を吸収したキノコなどを食糧にしているため、放射性物質が蓄積されたと考えられている。
2012年、ドイツでは狩猟したイノシシの放射線検査の実施が義務付けられた。基準値を超えた放射線が検出されたイノシシは、処分しなければならない。ザクセン州では1年間で、752頭のイノシシのうち297頭が処分された。基準値の10倍を超えるイノシシも確認されたという。
専門家たちは、今後50年間はこの問題が続くとの見方を示している。