九電 川内原発の再稼働について、薩摩川内市議会は20日の次回会合で、再稼働の地元同意を採決する可能性があります。
◇ ◇
原発事故による放射性焼却灰を保管する国の最終処分場の選定が遅れている問題で、14日、千葉県は柏、松戸、流山の3市に、県の手賀沼終末処理場で一時保管している焼却灰を来年3月末までに運び出し、各市で一時保管することを正式に要請し3市ともそれを了承しました。しかし一時保管の長期化に対する懸念が根強いため、県は国に早期選定を働き掛ける考えを示しました。
◇ ◇
原子力規制委は14日、関電 高浜原発3、4号機の審査会合を開いて、大きな課題は残っていないことを確認し、“合格証”となる審査書の作成などの最終局面に入る見通しとなりました。
◇ ◇
周辺自治体の了承が得られずに遅れていた、福島原発1号機の建屋カバーの解体作業を22日に始めることになりました。1号機建屋カバーは2011年10月に放射性物質の飛散防止のために設置したものです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
川内原発再稼働、「地元同意」20日にも採決
日経新聞 2014年10月15日
九州電力川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働を巡り、薩摩川内市議会は15日、「川内原子力発電所対策調査特別委員会」を開き、再稼働の賛成・反対を求める陳情採決の手続きに入った。20日の次回会合で、再稼働の地元同意について採決される可能性がある。次回の会合では、9日に開かれた政府による住民説明会の報告が主な議題となる。
放射性廃棄物 3市で一時保管決定 県が正式要請
東京新聞 2014年10月15日
東京電力福島第一原発事故による高濃度の放射性物質を含む焼却灰(指定廃棄物)を保管する国の最終処分場の選定が遅れている問題で、県は十四日、柏、松戸、流山の三市に、県の手賀沼終末処理場(我孫子市、印西市)で一時保管している焼却灰を来年三月末までに運び出し、各市で一時保管することを正式に要請した。三市とも了承したが、一時保管の長期化に対する懸念は根強く、県は国に早期選定を働き掛ける考えを示した。 (飯田克志)
◆国の最終処分場、選定遅れ
県は今月三日、環境省に早期の候補地選定や整備工程の明示を要望した。国は候補地選定の時期を明確に示さず、選定した候補地の詳細調査には半年前後必要と説明。これを受け、県は同処理場で保管期限としている来年三月末までに最終処分場を確保することは、事実上困難と判断した。
松戸市で十四日に開かれた県と関係五市の担当部長会議で、中島輝夫・県環境生活部長は「不測の事態で、大変残念な結果」と各市に理解を求めた。
持ち帰りについて柏市の担当者は「国から最終処分場のスケジュールなどが出てこないと、住民の理解を得るのは難しい」と懸念を表明した。
終末処理場にある三市の焼却灰は、柏分二百九十六トン、流山分百七十八トン、松戸分五十二トン。柏市は北部と南部の両クリーンセンター(CC)で保管する方針を決め、秋山浩保市長が十三日、市民に説明。松戸市と流山市もそれぞれのCCで保管する方針をすでに決めている。
引き取り時期は今後、県と各市が協議する。
◆北部、南部CCに持ち帰り
柏市の秋山浩保市長は十三日の県営手賀沼終末処理場に一時保管されている指定廃棄物に関する住民説明会で、廃棄物を北部CCと南部CCの二カ所に持ち帰り、最終処分場が完成するまで保管する方針を伝えた。
柏市は終末処理場に約三百トンの灰を袋に入れて仮置きしている。計画では北部CCの敷地内の空き地にコンクリート製の保管庫を新設し、二百トンを入れる。南部CCでは、工場建屋の地下で、残り百トンを放射線を遮るシートや板で囲い管理する。保管期限は未定。
秋山市長は十三日、両CC周辺の住民に対し「職員が常駐し、二十四時間体制で管理できる」と持ち帰り場所に選んだ理由を説明。住民からは「さらなるしわ寄せを受ける」「不安でたまらない」との声が相次いだ。健康調査の要望もあり、市側は「実施の方向で検討している」と答えた。
政府が来年三月までに最終処分場を設置する方針を示しながら候補地すら示していない状況にも、住民から批判が集中した。 (三輪喜人)
高浜原発の審査、最終局面へ 安全対策に大きな課題なしと規制庁
福井新聞 2014年10月15
原子力規制委員会は14日、関西電力が再稼働を目指している高浜原発3、4号機(福井県)の審査会合を開き、積み残しとなっていた課題を確認した。終了後、事務局の原子力規制庁幹部は「大きな課題は残っていない」と述べ、“合格証”となる審査書の作成など、最終局面に入る見通しとなった。
規制委が審査書の作成に入れば、九州電力川内1、2号機(鹿児島県)に続いて2例目となる。ただ再稼働には審査に合格した上で、地元同意などの手続きも必要でまだ時間がかかりそうだ。
この日の審査会合では、関電が夜間や休日の待機要員の増員や、地震・津波で原発内の道路が通行できなくなった場合の移動経路の確保策などを説明した。規制委側からは待機要員の役割や、復旧時間について詳しく説明を求める意見が出たが、大幅な見直しを求める意見は出なかった。
規制庁幹部は「まだ整理すべき点は残っているが、さらに審査会合が必要かどうかは関電からの説明を受けて検討したい」としている。
関電は昨年7月、大飯3、4号機(福井県)と高浜3、4号機の審査を申請。大飯3、4号機は規制委の指摘を受けて想定する地震を厳しくしたため審査は長期化している。高浜3、4号機は地震と津波の想定について9月までに規制委の了承を得ていた。
関電は今後、これまでの審査で指摘を受けた内容を反映させた補正書を提出する必要がある。規制委はこの内容を基に審査書を作成する。
建屋カバー解体作業、22日開始 福島第1原発1号機
東京新聞 2014年10月15日
東京電力は15日、水素爆発で大破した福島第1原発1号機に設置していた建屋カバーについて、22日に解体作業を始めると発表した。クレーンの故障などの影響で大幅に予定が遅れていたが、作業の監視や放射性物質が飛散した際の通報態勢を強化し、周辺自治体の了承が得られたという。
東電によると、作業初日の22日は建屋カバーの屋根に穴を開け、内部に放射性物質の飛散防止剤を散布する。30日ごろに屋根部分の一部のパネルを試験的に外して飛散防止剤の効果を一定期間監視した上で、来年3月に本格的な解体に移る。
1号機建屋カバーは2011年10月に放射性物質の飛散防止のために設置。(共同)