2014年10月21日火曜日

福島県民 優先課題は汚染水対策|川内原発再稼働に市議会委が同意|同市長も同意の意向

 福島県知事選に関連して福島民報社が世論調査を行ったところ、福島原発事故の対策として最も進めてほしい政策は、「原発の汚染水対策とトラブル防止」が27・8%で最多となりました
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 鹿児島県薩摩川内市市議会は20日、川内原発対策調査特別委を開き、川内原発1、2号機再稼働に同意する陳情を賛成多数で採択しました。今月下旬に開催される本会議で可決されれば、議会として再稼働に同意したことになります
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 薩摩川内市の岩切秀雄市長20日、28日に開かれる見通しの臨時議会の議論を踏まえて、再稼働に同意する意向を示しました。
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「汚染水対策」が最多 原発事故の最優先政策 本社世論調査
福島民報 2014年10月20日
 知事選の投票を前に福島民報社が行った電話世論調査では、東京電力福島第一原発事故の対策として最も進めてほしい政策を聞いた。「原発の汚染水対策とトラブル防止」が27・8%で唯一、20%を超え最多となった。汚染水を減らすための抜本策が確立できず、浄化装置の運転停止などが相次いでいることが背景にあるとみられる。
 「原発事故対策で最も進めてほしい政策は何か」との質問に対する回答は【グラフ(1)】の通り。「風評対策」が17・7%で続き、「健康管理」15・3%、「除染」15・1%、「避難者の生活支援」9・3%、「原子力損害賠償の充実」8・1%の順となった。
 「原発の汚染水対策とトラブル防止」を挙げた回答は女性の30・0%、男性の25・4%を占めた。職業別では学生の74・3%、専業主婦の32・6%に上った。
 「風評対策」は男性の20・8%、女性の14・8%が求めた。職業別では農林漁業の38・6%が挙げ、全業種中で最も多かった。地域別では、多くの観光関連施設を抱える会津・南会津が25・9%で最多だった。農林水産業や観光業で、風評被害が根強く残っている現状がうかがえた。
 「健康管理」は女性の回答で2番目に多く17・4%。40代女性の23・9%、30代女性の21・9%が要望した。
 「除染」を挙げた回答者を地域別に見ると、県中が最も多く20・2%。相双16・6%、県北15・9%と続いた。
 
■復興進捗「遅い」53.6% 「少しずつ進んでいる」32.7%
 
 県内の復旧・復興の進捗(しんちょく)状況をどう感じているかについても聞いた。「進み方が遅い」との回答が53・6%で過半数を占めた一方、「少しずつ進んでいる」が32・7%だった。
 「復旧・復興の進捗状況」に対する回答は【グラフ(2)】の通り。「進み方が遅い」とした回答は女性55・6%、男性51・4%だった。年代別で見ると、60代の64・1%が最多で、70歳以上が55・2%で続いた。職業別では専業主婦の64・0%、農林漁業の59・7%を占めた。地域別で見ると、県南の59・6%が最も多く、全ての地域で最多の割合となった。
 「少しずつ進んでいる」と答えたのは男性32・9%、女性32・5%。年代別で20代の47・0%が最も多く、全年代で唯一、「進み方が遅い」を上回った。30代38・5%、40代33・4%、50代31・1%と続いた。60代は23・0%、70歳以上は29・5%で、若年・中年層ほど割合が高かった。
 職業別では学生の51・4%が最多となった。一方、農林漁業は21・9%で最も少なかった。
 
 
川内原発再稼働に市議会委が同意 陳情採択、近く容認表明へ
東京新聞 2014年10月20日
 九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働問題で、同市議会は20日、川内原発対策調査特別委員会(10人)を開き、再稼働に同意する陳情を賛成多数で採択した。今月下旬に開催される本会議で可決されれば、議会として再稼働に同意したことになる。
 
 28日に臨時議会が開かれる見通し。岩切秀雄市長は再稼働を容認する見解を示しており、本会議での議論を踏まえて同意を表明するとみられる。
 
 特別委には川内原発の再稼働に賛成する陳情が1件、反対が10件提出されていた。賛成の陳情には6人が賛成、2人が反対、1人が棄権した。反対の陳情はいずれも賛成少数で不採択だった。 (共同)
 
 
川内原発、再稼働同意へ 地元市長と市議会
東京新聞 2014年10月20日
 九州電力川内原発が立地する鹿児島県薩摩川内市の岩切秀雄市長は20日、市議会の特別委員会が再稼働に賛成する陳情を採択したことに「委員会の判断を高く評価する」と述べ、28日に開かれる見通しの臨時議会の議論を踏まえて、再稼働に同意する方向だ。市議会は議員の過半数が再稼働容認の姿勢とみられ、臨時議会の本会議でも賛成の陳情を採択し、市議会として同意を示すことになりそうだ。
 再稼働に向けた地元自治体や議会の手続きで同意が示されたのは今回の特別委が初めて。
 
 鹿児島県の伊藤祐一郎知事も27、28日に開く県議会特別委員会の状況をみて、臨時議会の開催を検討するとみられる。 (共同)