原発では使用済み燃料は原発施設内で保管していますが、関西電力では9月末で容量の7割に達し、原発全11基がフル稼働すれば6~7年で満杯になります。
そこで中間貯蔵施設建設を検討中ですが、福井県は県外での設置を求めているため、八木社長は9月に、候補地の「条件」を「福井県外」「港がある」「発電所内」と明らかにしました。
それに対して条件に当てはまる近畿各地の自治体に戸惑いが広がっています。
京都府舞鶴市の多々見市長は「打診があれば、当然、断る」と明言し、宮津市も「受け入れがたい」と拒否しています。
またかつては受け入れの意思を表明していた和歌山県御坊市も今では受け入れを否定しています。
これだけ各自治体が拒否するのはいうまでもなく使用済み燃料が危険だからです。
原発の運転には不可欠な施設ですが、現実にそれを受け入れようとする自治体がないという状況は、そのまま、狭くて地震や津波の災害が多い日本では原発を稼動させるなどは元々無理であることの証明です。
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核燃料中間貯蔵施設、条件で自治体困惑 関電社長が発言
京都新聞 2014年10月21日
関西電力の八木誠社長が9月の記者会見で、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の候補地は「福井県外」「港がある」「発電所内」と発言したことで、近畿各地の自治体に戸惑いが広がっている。条件に当てはまる京都府舞鶴市の多々見良三市長は拒否を明言、宮津市も「受けがたい」とするが、原発の運転には不可欠な施設だけに、波紋は収まりそうもない。
「打診があれば、当然、断る」。21日の定例記者会見で舞鶴市の多々見市長は語気を強めた。港が整備され、関電の火力発電所も稼働中だが、高浜、大飯両原発から30キロ圏内に市街地があり、「すでに応分の負担をしている。断る根拠は十分ある」と述べた。
関電によると、使用済み燃料は原発施設内で保管しているが、9月末で容量の7割に達し、原発全11基がフル稼働すれば6~7年で満杯に。再処理工場(青森県六ケ所村)の稼働も遅れており、関電は中間貯蔵施設建設を検討。福井県は県外での設置を求めており、「条件」を八木社長が示した。
海沿いにある関電の火力、太陽光発電所は近畿4府県に13カ所ある。火力発電所が長期休止中の宮津市は「火力発電の再稼働を求めており、中間貯蔵施設にする話は受けがたい」(河嶋学市企画総務室長)。4府県の担当課はすべて「関電から打診された事実はない」と答えた。
かつて和歌山県御坊市が中間貯蔵施設誘致に動いたが、県担当者は「今は知事が受け入れを否定している。福井県の原発敷地内での建設が現実的」とする。
関電は「(条件は)あらゆる可能性の一つとして示したもので、地域の同意も必要。打診の有無や建設に向けたスケジュールは答えられない」とコメントした。
再稼働方針を批判=小泉元首相
時事通信 2014年10月22日
小泉純一郎元首相は22日、東京都内で開かれた再生可能エネルギーのシンポジウムに出席し、九州電力川内原発に関し「原子力規制委員会は『新しい基準に合格したが、安全とは申し上げられない』と言っているにもかかわらず、政府は再稼働させようとしている」と述べ、再稼働方針を崩さない政府を批判した。
高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定についても「自治体が手を挙げるところがないから、政府が決めればいいと言いながら、いまだに一つも決められない」と指摘した。